月別に見るアパレルのセール時期と営業体制(秋冬シーズン: 7 月 ~ 12 月)

 

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ショッピングバッグ

前回の記事 では、

  • そもそもセール対象となる商品とは
  • 1 月 ~ 6 月の春夏シーズンの営業体制とセール内容について

を取り上げました。セールがない期間なんてほとんどないことがわかりましたね。きついのう。

では今回は後半戦、7 月 ~ 12 月の秋冬シーズンについて同様に見ていきます。春夏シーズンと同じように実質毎月セールを行っているのでしょうか。それともしっかりプロパーが売れる体制になっているのでしょうか。

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7 月はセール三昧

7 月
上旬 中旬 下旬
セール構成比 90% 80% 60%
セールの内容 春夏物 春夏物 春夏物
プロパーの流れ 晩夏物投入

※構成比は店頭陳列上のものです。以後も同じ。

セールセールセール

6 月最終週からセールが開催されていますが、館によっては7月頭から開始というところもあります。そのため市場全体のセールの盛り上がりは、7 月上旬が最高潮となります。

その後は 1 月と同様に 2 週間程度で再値下げが入り、月末にかけてさらにオフ率は高まっていきます。

店頭での構成比は 1 月(秋冬物セール)と比べると、7 月のほうが月末時点でもセール構成比が高いかなという印象。なんせ 7 月末なんてまだ梅雨があけたばかり。9月中旬まで夏日が続くと考えると、夏物セール品はまさにここからが実売だからです。

※「あれ?実売期なのになんでセールすんのかね?」という素朴な疑問は正しいです。みんな思っているけど変えられない。アパレル業界の闇のひとつです。

セール開始時期にはさまざまな論があるが・・・

なお商業施設の中には、あえてセール開催時期をずらすところもあります。三越伊勢丹系の百貨店と、ルミネです。

理想とする姿はよくわかるのですが、現状を変えるほどの力にはなっていません。7 月頭のルミネなんて閑古鳥。そのうちこっそりと他と合わせてくると思います。

プロパーは秋色夏素材の廉価アイテム

ちなみにセール祭りの中でも、「秋色で夏素材」の晩夏物がプロパーとして投入されることが多いです。カラーだけでも秋を先取りしたい人向け、かつセールの中でも売れるよう、通常商品よりも買いやすい価格で販売されます。

アパレル的にはあまり引っ張らず、さっと売り切って終わり!にしたい商品群となります。

8 月は秋物構成比高まるもまだセール強し

8 月
上旬 中旬 下旬
セール構成比 40% 20% 5%
セールの内容 春夏物 春夏物 春夏物
プロパーの流れ 初秋物投入

秋冬メインラインが投入されはじめる

セール祭りの7月を終えて8月に入ると、そろそろ初秋物のプロパー商品が店頭で目立ち始めます。

初秋物と晩夏物との違いは、ぶっちゃけ商品単体では大きな違いはありません。しかしシーズンを通した企画全体で見ると、初秋物には秋物、冬物へとつながるストーリーがあります。

晩夏物はセール期のスポット企画でゲリラ部隊。初秋者はブランド本体のコンセプトに沿った商品群 = 正規軍という認識でいいです。

セールは縮小するも月末まで残るショップが多い

またセール品については徐々に縮小していきます。ただ春物が立ち上がる 2 月と比べると、夏物セールのほうが少し引っ張られるイメージ。月末でも一定スペースを確保しているショップは多いです。

なおこの時期残ってるセール品なんて、単なる売れ残りじゃねーの?と思われがちです。しかし2月でも書いたように、ブランドやショップによっては、ありえないブランドがありえない価格で購入できることがあります。みなさんがんばって探してみてください。

9 月は秋物立ち上がるもまた実需ではない

9 月
上旬 中旬 下旬
セール構成比 0% 0% 20%
セールの内容 晩夏物
初秋物
プロパーの流れ  秋物立ち上がり

秋物完全立ち上がり(ただし月末まで売れない)

9 月はようやく秋物が完全に立ち上がります。中旬からはウール混のニットアイテムも多く打ち出されるようになってきて、店頭陳列やコーディネートを見ていると「もう秋なのねぇ」と四季の移り変わりに思いを馳せることもしばしば。

だがしかしまだ 9 月。最高気温が 30℃ を超える日なんてザラにあります。つまり私たちはまだまだ夏物を着ている時期になります。汗だくでショップに入り、ウールのニットカーディガンを購入する姿はなかなかきつい。

そのため 9 月は秋物が立ち上がったとはいえ、売筋はカットソーや薄手のシャツばかり。シーズン先取りの厚手のニットアイテムは動きが鈍いのが現実です。

昔は下旬の 3 連休から一気に動き始めたものですが、近年は温暖化の影響 & リアルクローズ志向が進み、厳しい状況になっていると思います。

初秋アイテムのセール可能性あり

となると?そうです、セールです。この時期はすべてのショップがやるというわけではないですが、大規模面積のショップではセールをやる可能性が高いです。打ち出しはそこまで大きくないかもしれませんが。

7 月 ~ 8 月に展開された晩夏・初秋アイテムたちは、このタイミングで極小化・現金化されていきます。

10 月でようやく秋物プロパー実需期へ

10 月
上旬 中旬 下旬
セール構成比 20% 0% 0%
セールの内容 晩夏物
初秋物
プロパーの流れ 冬物投入

9 月末時点でセールを行っていた場合、10 月も体育の日の 3 連休までセールを引っ張ることが多いです。

それが終わるとウール 100% のニットやコートといった、冬物アイテムが投入されてきます。売場は秋の顔から冬の顔へと徐々に変化していくことになります。

しかし春物もそうでしたが、晩夏~秋物も賞味期限がすごく短いですね。

10 月は特に目立ったイベントはありません。しかし消費者の購入モチベーションはこの時期からようやくグンと上がってきて、実需期へ突入していきます。セールに頼らず、プロパーアイテムをしっかり接客して販売できる時期がようやく訪れます。

11 月はアウター品揃えがもっとも豊富

11 月
上旬 中旬 下旬
セール構成比 0% 0% 0%
セールの内容
プロパーの流れ 真冬物投入

11 月も特に大きなイベントはありません。セール展開もなく、プロパーをしっかり売っていく月です。

上旬には真冬の厚手アウターが投入されます。すぐに売れるものではありませんが、実売期に戻ってきてもらうために、この時期からしっかりマネキンに着せてコーディネートで見せていきます。

また前面プロパー & アウターのバリエーションも在庫の奥行きも最も充実する時期であることから、月末にかけて「コートフェア」などイベントを開催するショップもあるかと思います。

今年はコートを新調したい!セールを待って品切れなんて嫌!という場合には、この時期 11 月にちゃんと買いましょう。

12 月はプロパー → セールに一気に切り替わる

12 月
上旬 中旬 下旬
セール構成比 0% 20% 60%
セールの内容  秋冬物 秋冬物
プロパーの流れ 梅春物投入

さぁ 1 年も終わりです。

プロパー販売はクリスマスまでが勝負

まずプロパーの流れとしては、上旬に梅春物が投入されます。これは「春色冬素材」アイテム。冬はどうしても色のトーンが落ちて重めのコーディネートになりがち。しかし素材はそのままで色を春っぽくすることで、コーディネートが華やかになります。

まぁメンズではそんなに売れないでしょうけど、レディスでは重宝されるアイテム群です。

そして大きなイベントのクリスマス。この前にある連休はプロパー販売最後の大チャンス。12月の予算を達成できるかどうかはこの連休にかかっていると言っても過言ではありません。しっかり販売し尽くします。

中旬から一部セールコーナーと顧客向けプレセール

一方セールに関しては、中旬からセールコーナーができ始めます。が、ここで出るのは 9 月末 ~ 10 月のセールでも対象になっていた商品が多いかと思います。「やったぁセールだ!」と飛びつくのは待ちましょう。

時を同じくして、顧客向けの「プレセール」が開催されます。内容については 6 月をご参照。これも経験上けっこう大きな売上を見込めるイベントですね。

クリスマス以後は実質セール体勢へ

そうしてクリスマスが過ぎ、12 月 26 日くらいからは店頭を一気にセールに変えていくショップが多くなります。

実質店頭の 60% 程度は、もう 12 月のうちにセール状態になります。ただ館的なセールのスタートは 1 月 2 日 ~ 3 日とかなので、おおっぴらには打ち出せません。そのため外から見ても普通のプロパーの店頭に見えます。

しかし中に入って値札をよく見ると、もう 50% OFF になってたりします。夏のセールではもっと密やかにやってましたが、もう年末年始でどうでもいいやムードも一役買っているんでしょう。

これを知っていれば、セールアイテムをほかの人に先んじてゲットできるかもしれませんね。

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あとのタイミングは自分で確かめて

tciy

以上、2 記事にわたって 1 年間の月別の営業動向とセール動向について記してきました。

アパレルショップがどんな流れで、どんな思惑で動いているのか。少しはおわかりいただけたでしょうか。

春物をセールで買いたい時、冬物をセールで買いたい時にはどのタイミングでショップを覗けばいいのか、だいたいの目安はできたと思います。

あとは自分の目と足で確かめてください。

企業側はセールとうまく付き合っていくしかない

なお企業側としては最小の在庫で最大の売上を上げることを理想形としています。しかしセール無しで 100% プロパーで貫き通すことは、理念としてはすばらしいですが現実的には難しいです。

少なくとも夏と冬の大きなセールは在庫処分の場として有効活用する。それ以外の値引き販売は極力排除する。ものすごい顧客力のあるブランドでもない限り、一般的にはこのやり方を目指すべきなんでしょう。

さてあのブランドは?

と、ここまで読んでいただいてから GAP のセールスケジュールを見返してみてください。

  • セール乱発で売上も在庫がやばいんだろうなぁ
  • 在庫圧縮と現金化を推し進めているんだろうなぁ

どう取るかはあなた次第。

では再見。

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