ネットをぼんやり見ていると、起業ってすごく簡単なように感じてきます(実際簡単にできちゃうんですが)。
しかし重要なのは「続けること」です。
私も数年前に起業 → 大挫折 → リハビリ → 今に至っています。たった2年ほどでしたけど、起業して苦しみまくった経験は今の私の血となり骨となっています。
そういう意味では「良い経験をした」と言えるでしょう。人に話してもそう言われることが多いです。でも当事者としては、いまだにあの頃のことを思い出したり、当時のメールのやり取りを見ると心臓がゾワゾワしちゃいますw
いくら苦しくても魂は売らない!!
さてさて、その当時私はかなりお金に困っていました。ブランドものなど売れるもんなら何でも売ってお金にしてたんですが、自分の中の聖域として守っていたものがありました。
それは学生の頃から収集していたアナログレコード。
ヒップホップに傾倒していたもので、ジャケットの 90% 以上が坊主 & 黒人 & ヒゲという男汁満載のコレクション。
いくらブランドの洋服を売ったとしても、このコレクションだけは売れん。これを金にするという行為は、魂を売る行為と一緒だ。まじめにそう思っていました。
背に腹は代えられぬ
しかし世の中は無情です。うまくいくはずだった事業を待っていたのは、予期せぬ高い壁や深い落とし穴だらけ。心身だけではななく資金も疲弊していきます。
そうしてある日、私は決断をしました。
もう魂を売り渡そう。
良いことわざがあります。「背に腹は代えられぬ」というやつです。
ゲスい気持ちもあったよそりゃ
およそ 1,000 枚のアナログレコード達。レア度に関わらず、一枚一枚、いつどこのレコード屋で購入したのかは記憶しています。それくらい思い入れのある子達。
一方でいやらしく金額換算もしてみます。当時は為替の影響もありつつ EP ( 12 インチシングル)で 790 円 ~ 990 円が相場でした。もちろんそれ以上の金額のものもあるので、平均で 900 円としましょうか。そうなると 1,000 枚 × 900 円 = 90 万円です。
思い入れのある息子たちを売り渡すことへの抵抗は未だありつつ、「元値 90 万だもんな~結構高く売れちゃったりして」というゲスい気持ちもあったことは事実です。本気でお金なかったんだもん。
別れは意外とあっさりしたもの
そうして中古レコード買取業者を何軒かあたり、都内のとある店舗に全量売り渡すことに決めました。この店舗の良いところは、たとえ値段が付けられないようなレコードであっても返品せずに引き取ってくれるところ。意外とそういう品物は返品します!という店舗も多いんですよ。
いろんなことを思い出し、考えながら梱包しました。ダンボール数箱にまとまったレコード達を宅配便業者に引き渡すと、やけに部屋が広くなってしまいました。まるで同棲していた彼女が出て行った後のように、少しだけボケーッとしちゃいました(経験ありませんがw)。
意外と悲しい気持ちも無かったと記憶してます。
買取査定金額に驚愕
そして数日後、査定が終わったとの連絡が入りました。
さっそく都内某所の店舗へ訪問。レジカウンターのお兄さんに「五反田ですがレコード売却の件で」と話しかけると、「あ~お待ちしてました」との返答が。もしやレア度の高いレコードが多く、先方内部でも話題になっていたとか?
その後すぐに「じゃこれご確認ください。」と明細を渡されました。そこに私の息子たち(元値 90 万円)の値段が記されているのです。
買取価格は明確にランク付けがなされていた
期待 60% 、不安 40% で明細を開きます。明細の合計欄に記されていた金額はというと・・・
5 万円(正確には 4 万円台後半)
えーと・・・ 50,000 円 ÷ 1,000 枚 = 1枚あたり50円なり。ご、ごじゅうえん。
改めて明細を見ると、およそ 70% 程度のレコードたちが「値段つけられない」と記されていました。そう、この 5 万円というのは、30% = 300 枚のできる子達で稼いだ金額であり、残念ですが 700 枚の子達は市場的には無価値と判断されてしまったというわけです。
もちろんその中でも金額の大小があります。 10 円のものもあれば、なんと 5,000 円の値がついたものまで。
- メジャー級・・・ 1,000 円以上
- 一軍・・・ 100 円以上
- 二軍・・・ 100 円未満
- 戦力外・・・値段つけられず
まとめるとこんな塩梅。世知辛いけどこれが現実。
「それでご納得いただけたら買い取りさせていただきます」とのことでしたが、嫌とも言えませんよね。静かにうなづいて受取のサインをし、現金5万円を受け取り帰路についたのでした。
参考)メジャー級価格で売れたアナログレコード例
まずは「証言」
「人間発電所」「大怪我」
三者凡退
やはりこの辺の問答無用日本ラップクラシックは高評価でした。
※念のため書きますが、これらは収録曲が入っている CD です。私が売ったのはアナログレコード。
なお逆に期待しつつも戦力外だったのがこちら。昔懐かしの 8 cm CD です。レアなことは間違いなかったのですが、需要なしということで。
(画像は拾いもの)
そのコレクション、本当に必要?
というのがもう 10 年くらい前の話。それから?一切レコードは買ってません。
たぶんこれから1年以内に CD もすべて処分しちゃうと思います。これも 1,000 枚くらいあるんですが、最近は全然買ってません。もう全曲データ化されてるし、ちょっと聴きたいなら YouTube がある。さらにちゃんと聴きたいならダウンロード購入すればいいし。モノにこだわる意味がなくなりました。
(追記)この一週間後、CD もぜんぶ捨てちゃいました。
さらに今は我が家はこんまりさんの片付けを実践しているので、そもそもモノが増えにくい生活になっています。
参考▶こんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』を実践すると確実に自分のマインドも変わる
音楽がちゃんと整理できたら次はさらなる聖域であるマンガに手を付けたいと思っております。
なので Kindle の新しい Paperwhite を買うかどうか、ただいま絶賛悩み中。あう~発売後に皆さんのレビュー見て判断しよ。
2017/6 追記
結局 Fire HD 8 を購入しました。
参考▶ Fire HD 8 (2017 年モデル) を購入して使ってみた正直な感想
ということで男性のみなさん。私のような切ないきっかけは避けたいですが、何かの機会に自分のコレクションについては真面目に考えてみてもいいと思いますよ。それ墓場まで持っていくの?って。
では再見。
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