上野パルコヤは無味無臭でパルコのスピリットは微塵も感じられなかった

 

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百貨店苦境が続いています。特に悪いのは衣料品。ここ 10 年で百貨店全体の売上高は約 1.8 兆円も落ち込んでいますが、うち衣料品はで▲ 1 兆円と、実に 60% もの割合を占めています。衣料品が足を引っ張っているといっても過言ではありません。

各社再編を繰り返しなら回復を試みていますが、なかなか成果が出ていないのが実態です。

そんな中、旧態依然の百貨店ビジネスに見切りをつけ(?)、新しいことにチャレンジしている姿が目立つ法人があります。

それが J. フロントリテイリングさん(以下 J フロントさん)。大丸と松坂屋の持株会社です。

細かいことは省略しますが、百貨店のほかにパルコを保有しています。百貨店運営ノウハウと、ファッションビル運営ノウハウを持っているというのは大きな強み。 2017 年には銀座の松坂屋跡地に GINZA SIX をオープンさせて話題になりましたよね。

そんな J フロントさんが、今度は上野で新しい試みを始めました。

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パルコヤ上野が上野松坂屋隣にオープン

2017 年 11 月 4 日(土)、上野松坂屋の隣にオープンしました。パルコではなく「パルコヤ」です。

「ちょっと上の、おとなの、パルコ」

がコンセプトなり。

フロア構成はこんな感じ。

7F – 10F TOHO CINEMAS
6F レストランフロア「口福回廊」
5F ファッション/雑貨/トラベルカウンター/カフェ
4F コスメ/雑貨/美容室
3F ファッション/カフェ
2F ファッション/カフェ
1F コスメ/ファッション雑貨/フード
地下 Matsuzakaya

上野松坂屋のテコ入れ策

松坂屋に関しては、大変申し訳無いですが名古屋本店以外はムムムな印象。上野松坂屋も然りで、旧態依然の百貨店というイメージです。このままの姿での維持が難しいことは、外野目線でも明らかでした。

んでそこへのドラスティックなテコ入れ施策としての、パルコヤ上野です。

この特殊なエリアでどういう客層を獲得していくのか

上野(含御徒町)、というかアメ横は独特のファッション文化が栄えている街です。特にメンズで。

そのためごく一般的なブランド構成でのファッションビルが建ったとしても、上野のコアな客層とはおそらくマッチしません。それはリサーチ段階で明らかになっていると思います。

じゃあパルコはどういう存在意義を持って出店するのか?既存の客層を取るのか?それともいままで見えなかった新しい客層を取っていくのか?松坂屋とのシナジーは見いだせるのか?

このテコ入れの肝はそんなところなんだと思います。

淡々とパルコヤ現場レポート

で、行ってみました。以下まずは感情を交えず淡々と。

エスカレーターは大混雑だが物販フロアは空いてる

私が訪問したのはオープン翌週末だったんですが、かなり混み合っていました。昇りエスカレーターはガードマンによる規制が敷かれ、各フロアも順路に沿って歩かないといけない状態。館のグランドオープンということを考えれば、これくらいは入ってもらわないと困っちゃいます。

一方で冷静にフロアの客数を見ると、実はエスカレーターほどの混雑はありませんでした。エスカレーターに乗ってるみなさんは、いったいどこに行っちゃったの?と感じるくらいの落差。

雑貨関連ショップはそれでも賑わいを見せているのですが、アパレル系は閑古鳥が鳴くショップも見え隠れ。

アッパー層狙いの飲食フロアは大混雑

一方で上階の飲食フロアはかなり混み合っていました。価格帯はかなりお高め、年齢層もかなりお高め。

アメ横の客層ではなく松坂屋の客層を狙っていることがよくわかりました。

日本中どこのパルコよりも年齢層が高かった

TOHO CINEMAS は行ってないので省略。

地下はパルコではなく松坂屋管轄の Matsuzakaya という名称。レディスシューズ 70% 、上野案内的売場 30% という構成でした。博物館に行かずとも恐竜グッズを買えるのはポイント高し。

総じて、こんなに年齢層の高いパルコは初めてでした。

パルコである意味は感じなかった

結論からいうと「中途半端」。

たとえ「おとな」だろうがなんだろうが、パルコを冠する意味は感じられませんでした。

テナント MD が中途半端

入っているテナントは、都内であればどこでも買えるブランドが多数。上野ならではの差別化ポイントはほぼ見当たりません。見た限りでは「わざわざパルコヤに来る」理由はありませんでした。

※個々のテナントに文句をつけているわけではないので悪しからず。MD に文句をつけています。

ただのテナントビル

またパルコには、大なり小なりサブカルへのコミットを期待しますし、それが歴史的な強みであり、根底にあるスピリットでもあるはずです。少なくとも都心の好立地にグランドオープンするわけですから、そんな匂いは期待します。

だがしかしこのパルコヤにはその匂いは皆無。むしろサブカルとは無縁の層に思い切り寄せてきました。

大人=無味無臭なんでしょうか。大人=松坂屋の客層なんでしょうか。

これでは「ただのテナントビル」と言わざるを得ません。

別ネームでよかったんじゃないの

たとえば GINZA SIX のように、なにもイメージが付いていないまっさらの別ネームを使ったほうが良かったんじゃないでしょうか。

いったいこのパルコヤで満足するのは果たしてどんな客層なんでしょうか。

思い切って屋号変えたほうがいいんでない

繰り返しになりますが、

「ちょっと上の、おとなの、パルコ」

このコンセプトは現段階だと失敗してると思いました。エッジもなにもなく、ターゲットの顔が見えない。

みんなをターゲットにした結果、だれもターゲットにならなかった、という結果になるんじゃないでしょうか。

思い切って屋号変えちゃえば

とはいえもう建てちゃいましたしね。

たとえば、可能なら梅田の三越伊勢丹(ひどかった)のように、早期にガラッと変えたほうがいいんじゃないでしょうか。

あそこまで大きく変えるのは難しいにしても、せめて屋号だけでも変えるとか。

いまの状態だと、パルコのブランドに傷がつくと思いますよ。渋谷パルコも心配になるよ。

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そもそも松坂屋をね・・・

私パルコ好きなんですよ。だからこそこの上野の亜流パルコたる、パルコヤには落胆を禁じえませんでした。

ちなみに、パルコヤに行ったついでに 10 数年ぶりにお隣の松坂屋にもお邪魔してみました。

1F に入ったところ、匂いプンプンのオイニーツーキーな化粧品売り場の隣に、和菓子などの食品が陳列・販売されている状況。

なかなかクレイジーな MD じゃないの。

こっちのほうがぶっ飛んでてパルコっぽいかも!?というのはもちろん冗談で、手を付けるなら先にこっちだろ、と思うのでした。

追記:ターゲットは団塊ジュニア世代と言いますが・・・

とあるように、このパルコヤはそもそも団塊ジュニア世代をターゲットとして想定しているようです。ざっくり言うと 40 代半ばの層ですね。先にチェックしておけばよかった。

でも以前の記事でも書きましたが、

このように、自らスタイルを生み出し、自ら動いて購入できるようになった世代。自分のライフスタイルは自分で編集できるようになった世代。これが団塊ジュニア世代の特徴であり、「編集型消費世代」と呼ばれる所以でもあります。

誰が百貨店を殺したのか – 10 年以上続く低迷の原因 –

もともとこんな特徴を持った世代です。さらに結婚などでライフスタイルも変化し、さらにシビアになっていると考えるべき。

人口動態から見た市場としては最後の大きなパイではありますが、難易度も高いっす。この新鮮味のないブランド構成ではやっぱ厳しいと思います。

やっぱり別の屋号にしたほうが良かったんじゃないかなぁ。

 

では再見。

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