若いころに転職活動をしていたとき、何度か不思議なことを経験しました。
いまとなっては不思議でもなんでもないのですが、ふと思い出したので記してみたいと思います。
うまくいったはずの面接でまさかの不採用
ついに社長との最終面接が終わりました。自分の中では手応え抜群。面接が終わり帰りのエレベーターの中で「こりゃ内定ゲットだぜ!」と小さくガッツポーズ。なんだか世の中の色が明るく見える!
まさかの不採用通知で枕を濡らす
と思いきや、翌日早々に人材紹介会社から「見送りの連絡がきました」というメールが・・・
面接の場ではあんなに話が盛り上がったのに・・・
聞かれたことにも即答で答えることができていたのに・・・
数字の話もしっかりできていたのに・・・
いったいなんで!?と枕を涙で濡らした夜も数知れず(そんなに無いけど)。
不採用になった理由はぜんぜんわからなかった
もちろん相対評価の可能性はあります。私以上に話が盛り上がり、私以上に即答に長け、私以上に数字に強い人の選考が同時に進んでいたのかもしれません。そうなったらやむなし。
しかし選考は私一人だけで、最終まで進んで、とくに落ち度も記憶に無いのに落とされるのはけっこうきつい。
人材紹介会社の担当も「なんかやらかしました!?」と聞いてきます。こっちが聞きたいわ。
悲しき転職経験者あるあるだった
こういうことって自分だけなんだろうか。だとしたらちょっとやばい人間です。
そこで周囲で転職経験のある友人数人に、恥ずかしいけどこんなことが・・・と話してみたことがあります。すると驚くことに、こうした事案は案外少なくないことが分かりました。
私を含め彼らに共通していたのは
自分がうまくいったと思った面接ほど落ちる
ということ。悲ぴい。
立場が変わったら理由もわかった
それから数年経ち、オッサンになりました。もう採用する立場ですので目線も変わります。すると上述してきたような不可思議な現象にも、ちゃんと原因があることが分かりました。
簡単です。私はその企業が本当に求めている人材ではなかったからです。
うまくいったと思っていたのは自分だけ
うまく会話できること。質問に即答できること。数字に強いこと。確かにそのときの面接では私の自己採点では二重丸がつけれるくらいの出来でした。
でもそれってあくまでも自分目線でしかないです。
企業側としては、もしかしたらもっと朴とつな人間を求めていたのかもしれません。即答せず、いったんしっかり考えてから回答する、思慮深さを感じさせる人間を求めていたのかもしれません。数字にうるさい人間ではなく、勢い重視の人間を求めていたのかもしれません。
つまり、うまくできたと思っていた私は、その会社が求めている人間とは真逆だった可能性があるということです。最終面接で落とされるくらいだからなおさらです。
自社の理念に合うかどうか
話を戻しますが、私は年間数10人の採用面接を行います。中途採用の場合はスキルと経験はもちろんのこと、人間性も非常に重要視します。
ただ人間性を重視するといっても、私も別に人様に誇れるような立派な人間ではありません。なので私の基準に合わせて判断はしません。
基準はもう簡単、「自社の理念に合うかどうか」です。経営理念や行動指針、社訓、スローガン・・・ほとんどの企業には、自社の方向性が明文化されたものが存在します。私はそれはお飾りではないと思っています。
いくら優秀なスキルや貴重な経験を持っていたとしても、自社の理念と人となりが大きく乖離しているようなら、後ろ髪ひかれつつも不採用の判断をします。もしも行動指針に「考える前に動け」があるのなら、思慮深い人間は自社に合わないので不採用にする可能性が高いということです。
気づいてもらって助かったね
もしかしたら当時の私も、面接前にそこまで対策を打っておけば違う結果になったかもしれません。しかしいまとなっては、そこでちゃんと不採用にしてくれて良かったと思います。自分を偽って無理に入社したところで、どうせ辛くなってまた転職をしようと考えたことでしょう。
そんな転職は、双方にとってなにも良いことがありません。短期間での転職はキャリアに傷がつきますし、企業側にとってもいろんな採用コストが水泡に帰し、再度同じコストをかけることになります。
自分がうまくいったと思った面接ほど落ちる
これは事実けっこうきついのですが、前向きに捉えるしかないですよね。
だって 100% 全開の自分を出して入社して、ぜんぜん合わない会社だったら悲しいじゃないですか。そうなる前に不採用にしてもらって良かったですよ。一晩落ち込んだらさぁ次だ!
※スキル不足、経験不足、性格に難ありなどは上記の限りではないのでご注意を。
では再見。
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