年金個人情報流出騒動の規模感と影響範囲、我々がやるべきこと

日本年金機構の個人情報流出問題がメディアを騒がせています。125万件ってのは結構な規模ですね。

しかし原因を追求していくと、差出人不明のメールに添付されていたファイルを開いてウィルス感染というお粗末この上ないもの。10年前でもそんなことしねーわ。全員異動でよろしいんじゃないでしょうか。

125万件というのは多いのか少ないのか

たまご

さてさて、125万件という数はものすごく大きい数字に見えますが、実際はどんなもんでしょう。数字で確認してみましょうか。

項目 人口・件数 総人口比 20歳以上人口比
日本総人口 1億2,688万人
うち20歳以上人口 1億474万人 83%
今回流出件数 125万件 1.0% 1.2%

ソース:総務省統計局(年齢(5歳階級)、男女別人口(平成26年12月確定値、平成27年5月概算値))

20歳以上の人は、全員が年金支払・受取に関係しているとみなします。その数を母数とした場合、今回の125万件は1.2%という構成比ということが分かります。つまり単純計算で、20歳以上の人口100人に対し1~2人、1,000人に対し12人という状態。

「125万人」だけを見ると確かに驚くに値する件数です。しかし比率で見ると100人に1人くらいの確率ということが分かりました。

誰のどんな種類の個人情報が流出したのか

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また一言で125万件のデータが流出したと言っても、全件で同じデータが流出したというわけではありません。実は今回漏洩した情報には3種類あります。

ソース:日経コンピュータ

A) 116万7,000件

①基礎年金番号 ②氏名 ③生年月日 の3項目。この比率が最大で、全125万件のうち93%を占めます。

生年月日が分かれば年金受給者か否かは分かります。んでもしも固定電話を登録していれば、電話帳から氏名を検索して電話をかけることもできます。

B) 5万2,000件

上記①②③に加え、④住所 も入った情報。こちらは全体の4%。

上記A) では電話で済みましたが、このケースでは自宅の住所を知られてしまっています。押しかけられる可能性もあれば、「こっちは住所まで知ってるんだぞ」という電話での脅しに使われてしまうかもしれません。

C) 3万1,000件

①②のみの情報。残り3%の部類です。

名前だけ知ってもなぁ・・・ここに該当する人達は特に心配することは無さそう。

以上となります。A) B) に該当する場合は特に注意が必要ということですね。

不審なことはすぐに通報

実際犯罪者達がどこまでやるのかは分かりませんが、このマンガを読む限りはこちらの想像以上の手口で襲いかかります。

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参考▶漫画「ギャングース」はまるでアンダーグラウンド・ヒップホップの世界観

今回の情報漏洩は「年金」でした。でもだからといって相手が「こちら年金機構から委託を受けて~」という手口で来るとは限りません。「ここにはカネがあるぞ」と知られてしまったという状態です。いずれにしても、少しでも不審に感じる場合はすぐに警察に知らせるのが吉です。即断即決は絶対NGですよ。

超初歩ミスのおかげでコスト(税金)垂れ流し

ドル札

と、ヘボな人達のせいでいらぬ気苦労をするはめになりました。もう漏れちゃったもんはしょうがないので、我々は自衛の心構えをしっかりするしかありません。

しかしですね、昨日ニュースを見てたら「何だかなぁ」と感じることもあるわけです。

情報漏洩した可能性のある人に詫び状郵送

まずこれ。詳細は存じ上げませんが、単純に一通郵送に82円かかるとしましょう。あと内容物も1枚ペラとして10円。それを125万人に送ると。

82円 × 10円 × 125万人・・・10億2,500万円というすごい金額が出てきました。もちろんこれに人件費が加算されます。この機構の財源は「国庫または保険料」ですので、元をたどるともちろん我々が必死で収めた税金等です。

※詫び状郵送は上記B) にあたる、基礎年金番号/氏名/生年月日/住所が漏洩した人達だけかもしれないようです(52,000件)。それにしても4,200万円・・・。

まぁもちろん額面どおりの金額じゃないにせよ、それなりのコストは発生するはず。自分でミスっといて人の金使うなと。

コールセンター大増強

6月2日時点では全国3箇所で100名体制での運営だったそうですが、電話鳴り止まずパンク状態。んで急いで1,000回線に増強したそうです。1,000人てこと?ソースは6月3日夜に観た NHK のニュースなんで間違っていたらごめんなさい。

よく分かりませんが、これも外部委託ですよね。1人日2万円としたら1日2,000万円のコスト。これが事態収束まで続いていきます。

いったいどんな内容の電話が多いんでしょうね。自分の基礎年金番号が漏れているかどうか照合してくれとか、今後どういう対応をしたらいいのか等の内容なら分かります。不安ですもんね。

でもそれ以上に多いと想像されるのが、単なるクレームw。「ふざけんな」「解体しろ」「年金返せ」みたいなやつ?これは生産性も何もない、大変ダメな電話です。「クレーム入れたったわ」と一人悦に入っても何も変わりません。

こんな電話がやまない限りはコールセンターは存続し続ける=我々の納めたお金が無駄に垂れ流され続けます。

何かあるかもしれないという意識は持っておこう

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もちろん私や親の情報も漏れちゃってるかもしれません。変な電話がかかって来るかもしれません。でも上述したとおり、もう漏れちゃったもんはしょうがないです。

ここからは自衛です。テレビでもネットでもいいので、しっかり情報を集めて常日頃から意識をしておくことが重要。

「はーん、おれ大丈夫」というアナタ。そういう人が一番危ない。予期せぬ事態において、人は普段では想像もつかないような行動をしてしまうものです。交通事故で立ち尽くすしかできない人なんてその典型。

極端に怖がる必要はありませんが、「何かあるかもしれない」程度の認識を持っておくだけでずいぶん違いますよ。

では再見。

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