「いじめ」関連のニュースがなくなることはありません。
ニュースになるような事件は最悪の事態で氷山の一角。その裏には何十、何百倍のいじめが発生していることでしょう。そして何人もの子どもが辛く悲しい思いをしています。
ただ、ほとんどの場合はそれが一生続くことはありません。クラス替え、進級、転校、どこかのタイミングでスッとなくなることが多いです。
もしかしたらガキが大人になるための通過儀礼儀式のひとつなのかもしれません・・・とか思ってます?それは加害者だったり、経験ない人間の都合良すぎる考え方です。被害者はそんなことこれっぽっちも思ってないっす。たぶん。
実は私もいじめられていたことがありましたので、被害者側がどんなことを考えているのかを記してみたいと思います。
小 5 の転校先で、人生初のいじめに遭う
小中学生のころ、親の仕事の都合で何度か転校をしたことがありました。
住み慣れた場所、仲のよい友達と別れることはもちろん嫌なこと。しかしそこでゴネてもどうにもなりません。嫌ではありますが「まぁしょうがないよね」と割り切るタイプの子どもでした。
はじめての転校は小学 5 年生のころ。ド田舎でした。
その学校で、はじめて「いじめ」に遭うことになります。
最初はなにが起きているのか理解できなかった
いじめの加害者は、学年の中でも目立っていたグループ。
彼らも最初は転校生の私を、快く受け入れてくれました。一緒に遊び、いろいろな場所へ連れて行ってくれました。
しかし半年も過ぎたころ、いきなり、本当にいきなり様子が変わりました。
無視です。
そのグループ、そして周辺にいる長いものには巻かれろグループが、一斉に私のことを無視し始めたのです。
これは本当に衝撃で、事態を飲み込むまでにしばらくかかりました。
親や先生の前では隠されていた
私もそのグループメンバーも同じリトルリーグに所属していましたので、親と一緒に街中で買い物をしていたりすると、笑顔で挨拶をするんですよね。私にも話しかけたりして。
そうすると「あれ、もしや無視期間も終わったのかしら?」と一瞬喜ぶじゃないですか。
でもそれもつかの間の話。翌日登校すると、いつもと同じように無視をされ続けました。
学校でも一緒。先生の前では仲良くし、いなくなった途端に無視がはじまるというのがいつもの流れでした。
転校生のくせに必要以上に目立ったことが原因か
ちなみに無視をされた理由なのですが、たぶん転校たった半年で「目立ちすぎた」ことだったんだろうと思っています。
- 学校のテストはだいたい 90 点 ~ 100 点
- 絵画コンクールと読書感想文コンクールで最優秀賞獲得
- 田舎の狭い町では知り得ないさまざまな外の情報を知っている
- 女子ともなんとなく仲が良い
- (運動神経はまぁそこそこ・・・)
いわゆる優等生です。おかげで「転校生のくせに生意気だ!」と思われたんでしょうね。ド田舎だったし。
マンガの話かと思っていましたけど、本当にありましたこんな話。
選択肢を持っていたおかげで救われた
なおその無視の期間中、私が誰とも会話をせず、誰とも遊ばずに過ごしていたかというと、そういうことはありませんでした。
幼いながらにも「これがダメならあれで」という考え方を持っていました。このグループに無視されるなら、他の奴らと仲良くなればいいじゃん。という考え方です。転校経験も大きかったのかな。
ですので、無視をされて当然凹みはしたものの、私の中ではつるむグループが変わっただけでした。
どうせ何年かすればまた転校するしね、という思いもあったと思います。
ただ言っておきますが、もちろんその選択肢も、快く受け入れてくれた他のグループの皆がいたからこそです。
いじめは半年で終わり、すべてなかったことに
んでこの無視いじめは、およそ半年間続きました。
どうやら子ども同伴の PTA 会みたいな場で、目立つグループに無視され続ける私の様子を見かねた女子が、勇気を出して「なんとかしろや」と言ってくれたみたいなんです。私はもはやどうでもよかったのですが。
そしたら次の日の朝、昨日まで半年間私を無視し続けていたグループが、「一緒に学校に行こう」と自宅まで迎えに来ているじゃありませんか。まぁ怒られたんでしょうね。
過去の無視についての謝罪も理由の説明も特になし。すべてがなかったことになっていました。
そうしてあっけなくこのいじめは幕を下ろしたのでした。
※一部の人間からは二度目もあったが・・・
ちなみに中学に入学してから、また同じグループの一部から無視をされたことがありました。
この中学は絵に描いたようなヤンキー校で、 3 年生が絶対的な権力を持っていました。なぜか私はその中のトップの人物に可愛がられていたのですが、目立つグループとしてはそれが気に入らなかったですかね。
参考▶ 1980年代後半の田舎の不良中学の日常を思いだした(独り言)
もう二度目ということ & 原因もどうせしょーもないことだとわかっていたので、この時はもうまったくショックは受けませんでした。むしろバカだなぁとしか思いませんでしたね。
その後は中学 1 年の終わりにまた親の仕事の都合で転勤をし、この地を去ることになるのでした。
いじめの「行為」そのものに傷ついたわけじゃない
と、程度は軽いものの「いじめられた」経験がある私。
たいしたダメージはなかったとしても、やはりいじめられた側の心には大きな爪痕を残します。
こう書いてみて改めて思いますが、いじめという行為そのものに傷ついたんじゃなかったんですね。昨日まで仲が良かったはずの人間が、突然裏返って(程度の大小関係なく)攻撃を始めるということにショックを受けたんだと思います。
さらに謝罪もなければ原因についてもうやむやにされ、まるで最初からそんないじめなどなかったかのように流されてしまったこと。
幼心に「人としてどーなのそれ」と感じた次第です。
加害者たちの存在は自分の中で「無かった存在」になる
そしてそれから数十年経ちます。当時私のことをいじめた彼らに対し、いま現在私がどんな感情を持っているのでしょうか。
答えは「無」です。
もう過去のことだし許した!仲良くしようぜ!という感情はありません。
一方であのいじめは何年経とうが許さん!という怒りの感情はありません。
哀しみの感情もなにもありません。
繰り返しますが「無」です。
なにもないので、彼らがどこでなにをしてるのか、生きているのか死んでいるのか、なにも興味がありません。
そう、私の中では彼らは「無かった存在」になっています。
これって人間関係の中では最低の部類に入るんじゃないでしょうか。
ま、しょうがないよね。
時間が解決する?都合良すぎ
最後に加害者経験のある人へ。
「ガキのころの遊び」「まぁ昔のことだし」と流してませんか?「相手もなんとなく察してくれてるよね」と考えていませんか?
たぶん相手は私と同じように感じてます。普段仲良くしているように見えるかもしれませんが、そりゃお互い大人だから。芯から心を開いてると思ってたら、都合良すぎ。
勇気を持ってしっかり謝罪して、しっかりケリをつけてください。
では再見。
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