郊外ショッピングモールが生き残るためにはショッピングからの脱却が必要

「時間消費」という言葉を生み出したのはかつてのイオンモール。モールに来るお客さんは買い物をしに来てるんじゃない、暇つぶしに来てるんだと。より多くの人に、より長い時間モール内に滞在してもらうことが重要なわけです。

  • ジャスコやイトーヨーカドー等の大型スーパー
  • 飲食店街
  • 大型書店
  • アパレル、雑貨を中心としたテナントゾーン
  • シネマコンプレックス
  • その他大型スポーツ店、ペットショップ、家具屋、自転車屋とか

一般的な構成としてはこんな感じ。これが1つのショッピングモールの中に集約されています。近所のイオンモールを思い出してみてください。

  • 午前中10時から映画鑑賞(チケット代、ジュース、ポップコーン)
  • その後13時にランチ(ランチ代)
  • ちょっとスタバへ(コーヒー代)
  • 14時~16時は洋服屋ブラブラ(うっかり洋服購入)
  • 夕方はスーパーへ(食材購入)

このように1日時間潰せますし、自然とチャリンチャリンお金が落ちていきます。

時間消費させるためにはこうしたテナントのバリエーションも重要ですが、おそらく「気軽さ」も重要なんだと思います。上記一連の流れは、なんなら誰ともほぼ会話しなくてもいいですからね。

郊外ショッピングモールの隆盛

ショッピン部モール

確か12年~15年くらい前だったでしょうか。こうした流れが加速していきます。

土地代の安い地方、かつ周辺の商圏人口が一定上のエリアにこうしたモールが建設されていくようになります。そしてそれと時を同じくして百貨店の業績も急降下し、閉店する地方百貨店も続出しました。

百貨店イズキング的な考えはもはや百貨店社員(上層部)しか持っていませんでした。今もそんな人大勢いるけど。なんでも揃うしステータスになるというのは遠い過去の話。高いし接客うざいしね、というのが一般人のイメージ。

そうして小売の主役は百貨店からショッピングモールへと完全に移り変わることになったのでした。パラダイムシフトってやつです。

苦戦するショッピングモール

廃墟

さてそれから10数年が経過。今もショッピングモールは元気なように見えますが、その実内部的な目標に対してはかなり苦戦していると聞いています。あの大型モールも、あそこの話題のモールもそう。

モール作りすぎなんじゃないの

その理由は簡単、ショッピングモールの乱立でしょう。商圏人口に対してショッピングモールが多すぎ。

どこかで聞いた話では、年間300億円以上の売上を達成するためには、商圏人口が少なくとも50万人は必要とのこと。50万人ってあんまりイメージ湧きませんが、こんな感じ。

50万人人口

画像:wikipedia

有名な都市が名を連ねています。あくまでも300億円以上という前提ですが、これらの都市に匹敵するくらいの商圏人口が必要なのです。

地図で確認してみよう

んで現在苦しんでいるショッピングモールはどういう状況なのか。暇な時に作ったマップで見てみましょう(関東エリアのみ)。

ショッピングモール分布

ピンの色で企業を分けています。埋め込みは重いので画像で。実際のマップはこちらからどうぞ

参考▶ https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zS5aDbI0HmMU.kU1MQjidS6SA

あら意外と空いてる?ようにも見えますが、実際は大混雑ですよ。ここに駅ビルや百貨店が加わったら、もう地面がみえなくなっちゃうくらい。

商圏人口が一定以上あるにしても、それを自社モールですべて取り込むことができればいいです。でも地図を見て分かるように、だいたい1エリアには2~3種類のピンがあります。その商圏を狙ってさまざまな企業のモールが出店されているということです。すなわち商圏人口の喰い合いが発生しているということが容易に見て取れます。

上の方でも書いたように、大型ショッピングモールの建設は地代の安い地方に限られます。もちろんそうした地方で、自治体単体で数十万人の消費者を集めることは難しいです。東西南北近隣エリアからも広く集客する必要があります。

完全に食い合ってます

んで改めて地図を見てみましょう。

ショッピングモール分布2

パープル=イオンモールを中心に商圏円を入れてみました。もちろん円の大きさは適当なのでご注意を。にしても1つの円の中に複数のモールが存在している=食い合っていることが分かります。

また円の範囲内とはいえ、都心部から地方に流れることはあまり考えられません。外側からの集客をメインと考えれば、なかなか厳しいですよね。

さらにこの円が実際はもっと大きなものだったとしたら?さらに多くのショッピングモール同士で顧客の喰い合いが発生するというわけです。そりゃ苦しい。

ショッピングからの脱却

家族

私百貨店は嫌いですがショッピングモールは好きなので、変に衰退しないでほしいなーとは思うのです。

うーん例えばこんなのはどうでしょう。

ど田舎(失礼)のショッピングモールに行くと、朝からおばあちゃんたちが寄り合いしてたりと、もはや社交場的な場所になりつつあります。かつては午前中の病院がその役割でしたが、今後はショッピングモール内に病院も併設して寄り合い需要を取り込むのです。もう入院施設もあるくらいの大規模な病院を。

病院って良くも悪くも生死と隣り合わせな雰囲気じゃないですか。病人と怪我人しかいないし。それよりも天井も高く開放的な雰囲気の中の方が健康的じゃないかなと。ドリンクチケット渡してスタバでお茶してもらったり。回転率激悪になりそうだけどw

そうだ、もともとウツワとしての力はあるんだから、病院にかぎらず生活インフラをばんばん取り込んでいき、「無いと死ぬわ」的な存在になって生き残っていこう。

あとマンションとかね。「街を作る」とか変に高尚なことは不要なので、モールの敷地内に作っちゃえばいいですよ。その方が便利だし分かりやすいでしょ。外から集められないなら、中に住まわせれば良い。

いずれにしてもキーは、ショッピングからの脱却

というモール関係者には申し訳ない勢い適当エントリーでした。

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では再見。

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