副鼻腔炎手術と術後の経過を時系列で記録した

2025年に副鼻腔炎の手術のため入院しました。私の場合は

手術に至るまで

謎の頭痛から副鼻腔炎が発覚

ある時、こめかみ周辺の頭痛がものすごくひどくなりました。もともと偏頭痛持ちとはいえ我慢ならんくらいの痛み。

しっかりした頭痛外来で診てもらったところ、すぐにMRIを撮ることに。すると頭の中に膿がめちゃたまっていたことが発覚。それが脳や神経を圧迫して痛みを生み出しているのではないか?とのことでした。つまりここで自分が「副鼻腔炎」であることがわかりました。

通院&薬を飲み続けてもいっこうに改善されない

その後は最寄りの耳鼻科に1年半通って薬を飲み続けたのですが、半年ごとにCTを撮ってもいっこうによくなっていません。

先生から「うーんこれは手術するかどうか決断する必要がある。これで死ぬってこともないんだけど、どーする?」と聞かれ、迷わず手術を選択しました。

大学病院にバトンタッチ

その後は近所の大学病院を紹介され、改めてCTスキャン撮影したり、手術の日程調整したり。手術は2か月後となりました。

どういう手術かというと、内視鏡を左右の鼻穴から奥に突っ込んで、副鼻腔の機能を阻害している薄い骨を壊して広げたり、炎症を切除したり、実は内部で曲がっていた鼻の通り道を真っ直ぐにしたり、そもそも頭痛の原因になっていた(可能性がある)膿を取ったり…というものでした。一言でいうと、内視鏡下鼻副鼻腔炎手術(ESS)と呼ばれるものみたいです。

まぁ良くするための手術ですしね、ふむふむ言いながら了解しました。

手術前日(入院当日)

お昼ごろまで仕事をして13時くらいに病院に入り、まずは入院中のルールなどの説明を受けました。一般的な内容ですのでとくに難しくはありません。

私は副鼻腔炎の手術ですので、本来は耳鼻科棟に入院するはずだったのですが、ベッドに空きがないということで泌尿器棟へ。6人部屋の真ん中。まぁいっか。

看護師さんからひと通り説明を受け、あとは夕飯まで自由時間。

夕飯は18時。病院のご飯は久しぶりでしたが、悪くなかったです。ご飯、味噌汁、まんだいの煮付け、ほか。昔はもっと美味しくなかった気がするけどな。

21時に消灯、明日の手術に備えてしっかり寝ました。

手術当日(起算日1日目)

手術当日はさすがに盛りだくさん。

起床から手術終了までの流れ

  • 6時

起床。よく寝れました。

  • 8時20分

そろそろ手術です。事前に渡されていた手術着に着替え、圧着ソックス的なものを履きます。そのまま歩いて手術室まで行きました。

そのまま歩いて手術室へ。途中小学校低学年くらいの女の子がいて、「こんな小さな子が…」と泣きそうになりました。

手術室前で、今回私の手術を担当していただくチームと顔合わせを行います。全員女性。全員がネームプレートだったかな?のバーコードをスキャンして、メンバー間違いなどが無いようにダブルチェックもばっちり。

  • 8時30分

人生初の手術台です。まずは心電図を測るアレを貼り付け、血圧計を取り付けます。血圧は130-75でまぁ正常。酒を抜いた効果でしょうか。

次いで酸素マスクを取り付け、左手甲に点滴を注入。

「じゃあ麻酔入れますねー」という声のあと、左手側が少ししびれてきました。しびれが二頭筋あたりまで上がってきて「あー麻酔入ってるなぁ」と感じたところで記憶は飛びます。

  • 13時30分

次の記憶はここから。手術は終わっていました。意外と意識ははっきりしています。

最初に言われたことは「じゃあパンツ履きましょうか」でした。脱がせてたんかい。オッサンですのでとくに恥ずかしくもありません。

その後病室までベッドに寝た状態で運ばれるのですが、ちょっと気持ち悪くて終始目を瞑っていました。ちょっと熱も出てきたみたいでアイスノン枕もいただきました。

病室に戻ってからがけっこうしんどい

  • 病室に戻って直後

まず病室戻ってから、とにかく暑い!滝汗!

めちゃ暑いっすわーと伝えたところ、「じゃあ電気毛布取りますね」とのこと。電気毛布だったんかい。

その後汗だくの体を拭いて、着替えて点滴入れて3時間安静を命じられます。この点滴は止血効果があるもので重要なんだとか。

なおこの時点で再度血圧を測ったところ、覚えていませんがめちゃ高でした。さすがに手術の影響ですね。

  • KRS-ONEになっていた

このときはわりと元気だったので、記録のためにスマホで自撮りをしてみました。驚きましたね。敬愛するヒップホップティーチャー、KRS-ONE御大が写っているじゃないですか。つまり鼻が巨大に。1.5倍くらいには腫れ上がっていて笑っちゃいました。

  • その40分後くらい

暑い!気持ち悪い!頭(こめかみ)が痛い!の三重苦が突然始まります。しかも鼻に詰めていた止血用綿球から盛大に血が溢れてきて、たまらずナースコール。

「染みてきたら替えてくださいね」と綿球セットをいただきました。

このとき辛かったのが、鼻がまったく通らないために唾液を飲み込むこともしんどかったことでした。喉もカラカラで痛くてしんどい旨を伝えたところ、うがいのみは許可されました。うがいごときで俺の喉の乾きは収まらないよと思いましたが、これが驚くほど楽になりました。

患部は冷やしておいたほうがいいということでしたので、追加のアイスノンをお願いしました。しかし持ってきていただいたのはなぜかドデカサイズ。これはちょっと…と思いましたが、もはや余裕もなくダウン。

  • その30分後くらい

ここから盛り上がってまいりました。

まず鼻血が止まらなくなります。もらっていた綿球も底をつき、気がつくと鼻血が漏れてきて枕もパジャマも血だらけ。しかしこちらも余裕なし。

さらに患部、すなわち鼻がめちゃ痛くなってきました。術後ですしある程度の痛みは想定していましたが、痛みだけなら耐えられたでしょうけど、暑さやら鼻血やらいろんなことで余裕がなくなってきつかった記憶があります。

で、再度ナースコール。

綿球を山のように持ってきていただき、あとロキソニンをいただきました。

ここまで飲みものの類は禁止(うがいのみ)だったんですが、お腹に聴診器も当ててもらい、問題なさそうということで、麦茶とともにロキソニン服用を許されました。この麦茶が本当に美味かった!味はしないんですが。

血圧を測ると引き続きめちゃ高。まぁ術後術後。

  • その20分後くらい

患部の痛みはかなり和らぎました。ロキソニン最強。

ここでいろいろ落ち着いてきたねということで、看護師さんとともに病棟の廊下を一周。余裕っしょと思いきや、意外と頭はまだぼーっとしていて、足元も少しふらふら。

ここでショックな出来事が。麦茶がなくなったので自販機でスマホで決済しようとしたのですが、なんとFace IDが通らず!鼻がパンパンで人相が変わってしまったからでしょうか。パスワードでいけたから良かったですが、いや驚きました。看護師さんも笑ってましたわ。

その後、術後初のオシッコタイム。ここで尿道に鋭い痛みが!

最初に言われたことは「じゃあパンツ履きましょうか」でした。脱がせてたんかい。オッサンですのでとくに恥ずかしくもありません。

なるほど、尿道に管入れられてたのね。

病室に戻ってから、これまで止血剤だけだった点滴に抗生剤が追加され、明日から飲む薬をいただきました。

この頃には私の気分もだいぶ落ち着いてきました。

  • 18時

待ちに待ったディナータイム!なのですが当然術後ですし固形物は食べることができません。飲み物です。ジョア、ミルミル、麦茶、緑茶、白湯!とにかく飲み物。

とろろが美味いんですよこれが。味しないけど刺激がある感じで。

とはいえ鼻はまったく通らないので、一口飲み込むごとにけっこうなパワーを使いました。

  • 21時

こうして手術当日は消灯を迎えました。

「明日には良くなってるといいな」とは当時のメモ。

手術当日総評

というのが手術当日の起床から就寝までのリアルな流れでした。

まず最初に、全身麻酔手術を舐めてました。そんな重い手術でもないし余裕っしょくらいの心持ちでしたが、やはりダメージはでかい。支えてくれた看護師さんたちに感謝。

そしてこの後を思い返しても、やはり術後3時間がけっこう辛かったですね。

手術から2日目

術後3時間が辛かったと言いながら、実はいちばん辛かったのは夜でした。なにが辛いってまったく眠れない。

鼻呼吸がまったくできないと口呼吸で眠るしかないのですが、口呼吸で眠るとものすごい変なイビキをかくんです。その音で自ら目覚め、また落ちて~の繰り返し。眠いんだか何なんだか自分でもよくわからない。やっぱ鼻って大事ですよ。

  • 6時

そんなこんなで起床タイム。長い夜でした。

  • 7時30分

綿球が底をついてきたのと、鼻と頭が痛くなってきたのでナースコール。綿球とロキソニンをいただきます。ロキソニンを飲んだら痛みだけではなく不眠の疲れも少し解消された気がしました。

  • 8時30分

朝食タイム。昨晩のオール飲み物から昇格し、お粥にグレードアップしました。このお粥のほんの少しの塩味が心と身体に沁みましたね(味はしませんが)。

  • 9時30分

主治医の先生の問診の時間です。特に問題なさそうとのことなので、私の鼻呼吸を100%堰き止めていたガーゼを抜くことになりました。

「ゾリゾリゾリ…」という音が正しいかわかりませんが、思っていた以上に長~~いガーゼが両方の鼻穴の奥から取り出されました。もちろん血が染みて真っ赤です。おおお~、こんなもんんが入ってたらそりゃ鼻通らないわ。

で、堰き止めていたガーゼを抜いたわけですので、鼻血も勢いよく流れ始めます。急いで綿球を詰めましたが、まぁまぁ血だらけになってしまいました。

ただ!ここで!ようやく!鼻呼吸が少しできるようになります。この喜びは大きかったですね。

  • 12時30分

ランチタイム。うどんにランクアップ。

  • 18時30分

ディナータイム。普通のご飯とお味噌汁、サバ煮付け。ようやく人並みの食事に戻った感じ。味もわずかに感じられるようになってきました。

この日は特に体調変化もなく、鼻の綿球をこまめに替えながらベッドの上で過ごしました。暇なのでメルカリでたくさん買っちゃった。

手術から3日目

  • 6時

鼻呼吸は少し回復したとはいえ、やはりまだ口呼吸がメイン。あまり眠れませんでした。

  • 8時30分

モーニング。パンでした。

  • 9時30分

主治医の先生の問診の時間。術後良好ということで、退院となりました。最初は4日間程度は入院と聞いていましたが、まぁベッドはもっと重い患者さんのために使うべきです。

  • 11時

軽く手続きを終えて退院。都合3泊4日と、長いようで短い入院・手術が終わりました。

タクシーで自宅に戻り、まだ微熱もあるのでそのままベッドにスライディング。やはり自宅は落ち着きます。

病院でもらった綿球はすでに底をつき始めたので、ドラッグストアで脱脂綿を購入。ちぎって丸めて鼻に詰めるスタイルにチェンジ。

手術から4日目

鍛え上げられたメンタルとフィジカルを兼ね揃えている私は、もう朝から仕事です(さすがにリモートですが)。

たださすがに本調子ではないようで、昼過ぎに38度超の発熱。ロキソニン飲んで寝ました。

手術から5日目

起床時には熱は下がっていましたので、普通に出社して仕事しました。もちろんこの時点ではまだ鼻血も止まっていませんので、マスクを常用して綿球も定期的に入れ替えを行いました。

16時くらいに目とこめかみの痛みがかなり強くなってきたので早退。帰宅後ロキソニンを飲んで安静にしていたら痛みも引いてきましたが、逆にまた発熱。21時くらいに早めに就寝しました。

手術から6日目

前日早く就寝したせいか4時に起床してその後まったく寝れず。熱は下がっているのですが、目とこめかみの痛みがけっこう強く、後頭部にも圧迫感を感じます。うーん。

またこの日から鼻血の質が変わってきました。左鼻からの出血は落ち着いてきたのですが、右鼻からの鼻血が増えてきて、さらさらした血ではなく、半透明ネバネバ状に変化。これはChat-GPTさんいわく、傷を修復している証拠のようなので一安心。

夕方また熱っぽくなってきたのでロキソニン。0時に就寝しました。

手術から7日目(定期検診)

この日も元気に5時半に起床。目はまだ痛いのですが昨日ほどではなし。ただこめかみの痛みはそこそこあり、なぜか前歯の歯茎に違和感を感じます。検診もありますのであえてロキソニンは飲まず我慢しました。

そんなもんが鼻に入ってたの!?

術後初の定期検診です。この一週間のあれこれを共有しましたが、まぁ術後あるあるということで様子見に。

そんなことよりこの日のメインは、曲がっていた道を矯正するために鼻に入っていたシリコンプレートの取り出しと、抜糸と聞かされました。もう聞くだけで嫌になりますが、もう身を任せるしかありません。

いつものように少し上を向いて、先生のピンセットが鼻の奥の方まで入っていきます。「ゾリゾリゾリ…」おっとまたあの感覚。

そして「はい取れましたよー」と見せてもらったシリコンプレートは、想像を絶する大きさでした。てっきり棒状のものを想像していたのですが、トレイに出されたそれは、みたいなものでしたね。どうやってそんなものが私の鼻の奥に入っていたのか。丸められていたのか。いやー驚いた。

次いで抜糸です。これはシンプルに痛くて自然と涙が出ちゃった。

という感じで定期検診は終了。いやー疲れた。

手術から8日目

鼻の中の詰め物がすべて取れた朝。6時アラームで気持ちよく起床。久しぶりによく眠れた気がします。目痛や頭痛もなし。

とはいえ調子に乗って集中して仕事したら、夜にはまた頭が痛くなってきました。ロキソニン飲んで就寝。

手術から9日目

ようやく鼻血が止まりました。止まったというか、外に出て垂れてくる前に乾燥する感じでしょうか。午後には綿を取って過ごすことができました。

手術から10日目

ついに1日中綿なしで過ごすことができました。鼻うがいをするとまだ血の塊が出てきますが、もう垂れてはきません。

ただ鼻血以上にネバついた液体が止まらず、それが乾燥してゴツいかさぶたが気になります。

夕方ロキソニン服用。もうやめていいかな。

手術から11日目

かさぶたは朝晩の鼻うがいで取れては、またできるを繰り返します。外観的に気になることはなく、もうマスクを取って大丈夫かなーと思いきや、仕事中にドロリ感→右鼻から立派な?鼻血が。もう綿も持っていなかったので、就業まではトイペをちぎって詰めて過ごしました。まだ安定しませんね。

でもこの日にはもう目痛・頭痛はしなくなりました。

手術から13日目

この頃には、朝シャワーで鼻をやさしくかむと、ものすごい量の血混じりの塊が出てくるようになりました。これけっこう気持ちいいです。

手術から14日目

落ち着いてきたかなと思いきや、夕方にネバネバ鼻水が大量に出てきてびっくり。この日はそこから2時間程度映画を観たのですが、終わった頃には固まってゴツいかさぶた?ができあがっていました。

手術から22日目

前日のかさぶたが過去一くらいの大きさになっていましたが、朝のシャワーと鼻うがいでぜんぶ飛んでいきました。気持ちいい~。でもこの日夕方にはまた同じ状態に。

ちなみにこの時点で手術からおよそ3週間、鼻はかなり通っているのですが、味覚の復活度合いはまだ70%程度というところでしょうか。まだ「食べている瞬間の味を感じている」以上に「過去の記憶で食べている」感じというか。

手術から28日目

この日は定期検診の日。

味覚がいまいち戻っていないことについて伝えましたが、まぁ術後の影響でしょうとのこと。そりゃそうなるか。

鼻の通りは問題なし。鼻水が少し多いかもということで薬を処方されました(以前手術前に服用していたのと同じだけど…まいっか)。

手術から33日目

この頃になると、風呂でも鼻うがいでも鼻水や変な塊は出なくなりました。

味覚もほぼ100%戻ったと言ってもいいでしょう。たった1か月ですが長かった気もします。

手術から49日目

この日は定期検診の日。

もう普通やん?と思っていたんですが、右鼻から巨大なカスとかさぶたを取っていただきました。

また同じく右鼻の傷口が癒着していたようで、表面麻酔をかけて癒着部分をハサミでカット。いたた。当然鼻血が出てきたので久しぶりの綿詰めです。

一方で左鼻のほうは問題なし。

鼻うがい後左鼻から水が出るようになった

そうなんです。この頃になると、朝晩鼻うがいを行った後、頭を傾けると左鼻から水がジョロジョロ~っと流れてくるようになってきました。これは一体。

先生に相談したところ、それはまさに副鼻腔が通常に空いた証ですよとのこと。それならよかったわ。

手術から63日目

定期検診です。間が空きましたが、早いもんで手術から2か月が経ちました。

前の検診時にカットした癒着部分の経過もバッチリ。もはや左右どちらも問題なしとのこと。

ちなみにこの頃になると、鼻うがい後左右どちらの鼻からもジョロジョロ~っと水が流れてくるようになりました。鼻うがい後はしっかり水を出しきらないと、日常生活で謎の鼻水を大量に出すことになるので気をつけないと。

そしてついに次回1か月半後の定期検診で問題がなければ、通院も終わりと告げられました。長かった気もしますしあっという間だった気もします。

つづく

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