漫画家による仏の世界展@増上寺を見て考えさせられたこと

皆さん漫画好きですか?私は”No Manga, No Life”くらいの漫画好き。まだたかだか30数年しか生きていない中で、ベスト3を挙げるとすれば・・・いや長くなりそうなんで、また別の機会に。

しかし何時からか、「私漫画が好き!」といい大人が声高に叫んでも許される世の中になりましたよね。少なくても学生の頃はそんな大人はいなかったというか、そう宣言することは社会的に許されなかったように記憶しています。いい世の中になったもんだ。

そして昨今漫画は誌面の枠を飛び越えつつあります。井上雄彦さんの最後のマンガ展なんてその最たるもの。私不覚にも涙してしまいましたもん。またやんないかなぁ。

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画像:WORKS | FLOWERより

そんな日本が世界に誇るアートフォームが、今度は仏様とコラボレーションしちゃいました。先日フラッと行ってきたので簡単にレポートをば。

漫画家による仏の世界展@増上寺

何で知ったのか忘れちゃいましたが、そんなイベントがあるのなら見ずにはいられない!ということで行ってまいりましたよ増上寺。

増上寺と東京タワー

こういうコントラストって何気に東京っぽいですよね。

階段を登ってちょっと右側にある階段を下ると、そこには夢の様な空間が・・・!というには正直ちょっと微妙で(^ ^;) なんだか勿体ないと感じずにはいられなかったんですよね。

では順番に、私が勿体ないと感じたポイントを。

施設がボロい、見せる気が無い

増上寺で開催というからには、靴を脱いで上がり、ちゃんと脱帽しつつ清い心持ちで閲覧するんだろうなぁと思っていました。ところが期待とは裏腹に、別館の別館的な展示会場での開催。一言で言うと殺風景。

せっかく気持ちを込めて描かれた仏様の原画達も魅力半減(半減は言い過ぎですが)。

アートに造詣の深い人、あるいは展覧会開催に長けた人、そういう外部のスタッフを招聘して「展覧会」としての完成度を上げるべきと感じました。

いや、そういう人にお願いしたんだけど

そうですか。だとしたら次回の人選は考えた方がいいと思いますよ。

申し訳ないが一時代遅れている

赤塚不二夫 . いがらしゆみこ . 池上遼一 . 石川サブロウ . 板橋しゅうほう . 植田まさし. うえやま とち . ウノ・カマキリ . 浦沢直樹 . 江口寿史 . 桜多吾作 . 大石容子 . 荻野真 . 一峰大二 . 香取正樹 . 木村直巳 . クミタ・リュウ . 小島功 . さいとう・たかを . 佐伯かよの . 里中満智子 . 志賀公江 . ジョージ秋山 . 菅ナオコ . ちばてつや . 土山しげる . 手塚治虫 . てふてふ . 寺沢武一 . 中山星香 . 永野のりこ . 西田淑子 . 西村 宗 . 新田たつお . 花村えい子 . 林家木久扇 . バロン吉元 . 臂 美恵 . ビッグ錠 . 藤井龍二 . 牧美也子 . 牧野圭一 . 三浦みつる . 南久美子 . 宮島幸次 . 本宮ひろ志 . 森田拳次 . 矢野 功 . 矢野 徳 . 山田ゴロ . 山根青鬼 . 六田登 . 渡辺みちお 他(敬称略・五十音順)

こちらが本展覧会への出展漫画家一覧。所謂「先生」レベルのそうそうたる顔ぶれです。

・・・ですが、ですが・・・大変失礼ですが今っぽさに欠けています。昭和時代に大活躍された方が大半を占めており、正直半分は「ふーん」状態でした。

現在のマンガ文化はもちろん先人達の培った土壌の上に成り立っています。そこには最大級のリスペクトを払うべきです。

でもそれが「今」リアルタイムに漫画を読んでいる人達の支持を受けるものかどうか、心躍らせるものかどうかになると話は別です。

打ち出し方が弱い=目玉が無い

関連しますが、「今」漫画に熱中し、何かを感じる層。その人達に向けて強いメッセージを発するべきだったと思います。平たく言うと、「目玉」となるものがありませんでした。

もちろん、さいとう・たかを先生の「護留護(ゴルゴ)天」、赤塚不二夫先生(プロダクション)の「レレレ千手観音」など、展覧会の目玉に値するものもありました。

護留護天

画像:ebookjapanより

が、それでも私よりも上の世代向けですよね。

だいぶ乱暴ではありますが、荒木飛呂彦さんの「ジョジョ菩薩」、尾田栄一郎さんの「ニコ・ロビン観音」など。これくらい分かりやすいものがドーン!と1つだけでもあり、次いで様々な世代の漫画家が描く仏様がいるような形にすれば、老若男女問わず皆がもっと楽しめたんじゃないかと思います。

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おまけ:奇妙な人達に気を取られた

私が行った時、年の頃は私より上で、ビジュアル的にも相当インパクトがある「男の娘」がいらっしゃってまして。しかも2人組。

私はもちろん、他の皆さんも仏様どころじゃなかったようなw これはまぁ文句言ってもしょうがないんですが。

やっぱり何をするにしても分かりやすく

この展覧会で開催者側がやりたかったことって何だったのか、ターゲットは誰だったのか、考えてみてもよく分かりませんでした。HP見てもやっぱり分かりかねるので、ちょっと仮説を立ててみました。

四の五の言わずに芸術を堪能して欲しい

それは分かります。でもそれを感じさせるには展覧会の佇まいが(東京に関しては)チープだったと言わざるを得ません。やはり作品とともに、作品が展示される「場」とピリッとした空気感も重要だと思いますよ。

漫画をきっかけに仏教にも興味を持って欲しい

であるならやはり引きが弱し。私以上の年齢の人はマンガに頼らずとも最低限の知識はあるはず。若い層に興味を持ってもらいたいなら、もっとインパクトを出すべきでした。

いや、単にノリです

だとしたら何も言いますまい。

・・・と好き勝手言うのも、私が漫画好きだから!もっとうまく活かしていく方法はあるはずですよ。

ぜひ次回はこういった点をご一考いただき、より良い形にしていっていただきたいと思うのでした。

では再見。

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