5月中旬に発表された、アパレル大手 TSI ホールディングスとワールドの大規模リストラ。あれからおよそ1か月半が経過した6/27(土)に、ワールドさんから追加リストラ話がリリースされていました。追加というか前回発表の詳細はこちら!という感じです。
いったいどんだけ・・・という思いはさて置き、まずは当初発表されたリストラの内容を最確認。んで追加リストラの詳細をチェックしてみましょう。
当初発表されたリストラ案
2015年5月18日に発表されたものがこちらでした。
ワールドが過去最大規模の大なた 不採算店を閉鎖へ、ブランドの撤退も
「アンタイトル」などのブランドを展開するアパレル大手のワールドは18日、平成27年度中に全約3千店のうち400~500店を閉鎖し、全約100ブランドの1割強にあたる10~15の不採算ブランドを廃止すると発表した。
前回の記事でも書いたように、ワールドの店舗販売スタッフはたぶん全員が子会社(ワールドストアパートナーズ)勤務となっています。
参考▶アパレル業界巨大リストラ2連発!この流れはまだ続きそうな予感が・・・
Max で500店舗を閉鎖するとなると、1店舗に3人~5人の販売スタッフがいた場合、単純計算で1,500人~2,500人(以下およそ2,000人)の職場がなくなってしまうということです。
彼らが力を発揮できる新しい環境を探さなければなりません。もはやアパレル関係にこだわっているわけにはいきません。小売業全般に対し、この会社から人員派遣の営業が強化されるのではないでしょうか。
でも冷静に考えるとおよそ2,000人ってすごい数。とても営業努力でなんとかなる数ではないですな。となるとこちらの子会社でもある程度のリストラは行うのではないでしょうか。
と、このように前回の発表ではあくまでも「ブランド廃止」と「店舗閉鎖」が表に出ていました。具体的な人数については触れられておらず、あくまでも私の推測でしかありませんでした。
第2弾発表でリストラのさらなる詳細が明らかに
以下引用はすべて 朝日新聞DIGITAL さんより。 ※リンク先記事消滅
アパレル大手のワールド(神戸市)は7月から希望退職者を募る。社員の約3割にあたる500人程度で、年間30億円規模の人件費削減につながるとみられる。5月には店舗やブランドの一部撤退を発表しており、大幅な人員削減も進めて低迷する業績の立て直しを急ぐ。
これ子会社じゃなく本部ですよね。500人ってすごい数ですな・・・。
「希望退職」と書いてありますが、「本人の希望」もあれば「会社の希望」もあります。後者に該当する人には何かしらの形で「分かってるよね?」的なプレッシャーがかかりそうです。
んでゲスい話ですが30億円÷500人=年間600万円。トータルで見た人件費と考えると、純粋な給与に加え各種保険や交通費が含められるかと。となると退職者1人あたりの平均年収は500万円くらいと想定されます。けっこう高いです。
希望退職の対象は、40歳以上60歳未満の正社員と、定年退職後に再雇用されている60歳以上の契約社員。募集期間は7月6~24日で、退職日は9月末になる。退職金に特別加算金を上乗せし、希望者には再就職を支援するという。
うーん、ここが切ないところです。結局伸びしろがある20代、働き盛りの30代には辞めてもらいたくありません。こういう時に白羽の矢が立つのはいつでもこの世代(40歳以上)です。
どこの会社でも40歳が区切りなんだよな。 https://t.co/p5UzaAQx3C
— 五反田ひろし (@higotanda) 2015, 6月 27
上述の平均年収500万円というのも、この層であれば頷けるところ。
しっかし募集期間も容赦ないな。7月24日が期限ということなので、家庭のある方はその間に家族にその事実を告げなければなりません。いやー・・・言えないよこんなの・・・。
また大変失礼ですが、この世代は再就職といっても簡単にいきません。かっこつけずに再就職支援はぜったいに使っていただきたいところです。そして条件ダウンは当たり前スタンスで臨むべしです。
参考▶自分の会社で早期退職募集がかかったら、立ち止まらずに動きまくろう
景気は良くないけど、なんとかこれで終わりにしてもらいたいもの
以上がワールドのリストラの第2弾発表でした。
店舗でおよそ2,000人。それに加え本部でも500人という、アパレル業界では類を見ない大きな規模のリストラです。企業を存続させるためにはやむ無しの決断とはいえ、なんとも胸が痛い。
んで今後ですが、前回の記事でも書いたようにこの流れは業界全体に波及するんじゃないかと思っております。景気悪いですし。でもお願いだから「ワールドもやったし TSI もやったし、うちもやるか!むしろしないとマズイ?」なんて軽いノリで追従しないでいただきたいもの。
企業存続は最優先ではありますが、結局のところ企業は人によってしか成り立ちません。だからこそ人員削減を伴うリストラというのは本来は最後の一手であるべきですし、経営陣も血を流して然るべきものです。
私の予想が大外れし、追従企業もなく、追加リストラ策も出てこないことを願っております。
追記:ワールドのリストラの結果
8月12日にニュースが出ており、結局453人もの社員が早期退職することになったそうです。風のうわさでは全然手が挙がらないと聞いていましたが・・・対象者には厳しい面接が何度も実施されたんでしょうね。
もはやこうなってしまったら未練を残しても何もなりませんので、スパッと次に向かって歩いていただきたいもんです。
なお転職サイトは面倒でもいくつか登録しておいたほうがいいです。一発で決まるほど甘くないし、得手不得手もありますからね。
コメント