リアルファー(毛皮)規制はするのに皮革製品は規制しないの?

ファーコート

ぼーっと Twitter 眺めていたら、こんな記事が流れてきました。

「アンチファー」の流れは世界的に広がりを見せています。

グッチやアルマーニといったハイブランドはもちろん、 ZARA や H&M 、 TOPSHOP といったリーズナブルなブランドまで、非常に多くのブランドがこれに賛同しています。

という流れがあることは存じ上げていましたし、もっと多くのブランドが賛同すべきだと思います。が、その記事を見てふと思いました。

「毛皮」も動物のものであれば、いわゆる「皮革」も動物のもの。なのになぜ毛皮だけがここまで大きな動きになるんでしょう。ちょっと調べてみました。

なぜ毛皮/ファーはこんなに糾弾されるのか

まずはじめに、なぜ毛皮/ファー(以下「毛皮」で統一)がこんなに糾弾されるのかを知っておきましょう。

毛皮は動物の犠牲の上に成り立つ製品である

  • セレブな奥様がお召しになっているミンクファーのコート
  • ウールコートのファーや袖口に付いているラビットファー
  • etc

一部だろうが全部だろうが、毛皮を使用しているのであれば、元の動物は「その毛皮を作るために」間違いなく殺されています。

たまたま狩りをしていて捕まえたウサギがいて、肉を美味しくいただき、余った毛皮も無駄なく使おう。そんな話ではありません。

洋服や服飾雑貨に使用される毛皮。その元となる動物たちは、毛皮を取るために劣悪な環境で飼育され、毛皮を取るために殺され、毛皮だけを取られて捨てられています。ひどい場合はまだ意識があるのに毛皮を剥ぎ取られることもあるそうです。

キツネ

防寒のために必要なのでは?

という人もいるかもしれませんが、いったいいつの時代の人ですかと。

アウトドアメーカーや繊維メーカーの技術革新はものすごいですよ。南極や北極へ行く人たちが着用しているアイテムには、ただの一つも毛皮製品はありません。

風合いが悪いのでは?

いわゆるフェイクファーも技術革新が進んでおり、言われないと気がつかないレベルにまで進化しています。

ていうかこの問題を知っていてなおかつ風合い云々言う人は、もはや・・・と思いますが。

毛皮業者の仕事がなくなるのでは?

知らんがな。

とまぁ簡単ではありますが、人間の装飾欲求のためだけに、関係のない動物たちが犠牲となっている現状があるわけです。それを人道的立場から問題視し改善していく。これが世界的なアンチファーの流れ。

皮革製品はなぜ問題視されないのか

レザージャケット

さて一方で皮革製品はどうなんでしょう。

レザージャケット。レザーのバッグ。レザーシューズ。どれも本革を使用しており、その元となる動物は確実に死んでしまっているはずです。これは問題ないのでしょうか。

結論から言うと、皮革は人道的視点からも概ね問題はありません。

皮革製品が問題ないとされる理由

その理由は目的にあります。

毛皮は「装飾欲求」があり、そのためだけに動物を殺して毛皮を剥ぎ取ります。

皮革はそれとは違います。皮革の元となる動物は基本的に「食用」です。まず食べるという目的があり、食用以外の部分=皮革も無駄にせず加工して製品化するという順番になります。一言で表すと、廃物利用というわけです。

上述したような

たまたま狩りをしていて捕まえたウサギがいて、肉を美味しくいただき、余った毛皮も無駄なく使おう。

この考えに近いですね。

もちろん「罪のない動物を食べるなんて人間のエゴ」と憤る人もいるでしょう。でもその議論はここでは置いておきましょう。少なくとも人間の栄養にもならずに、単に毛皮を剥がれるだけのための存在とは違うはずです。

問題がある場合もある

とはいえ「概ね問題ない」と書いたようにすべてが問題がないというわけではありません。

たとえばハラコ

ハラコ素材は牛の胎児の皮です。本来は不幸にも胎内で死んでしまった子牛の皮を使っていました。しかしその風合いの良さから、言いたくないですが・・・そいうことをする輩も出てくるわけです。考えたくもないけど、いるんです。

「ハラコって?」という方は、「ハラコ 財布」などで検索してみてください。

気になる場合は臆せず確認

ただしそんなド畜生業者であっても「病死した子牛しか使っていません」と言われてしまうと、確かめる術がないのも事実。

ですのでもしもハラコ素材製品を欲しい場合、先に店舗や企業に確認してみるという手があります。実際、牛革を加工した「ハラコ風」であることも多いです。リアルハラコにこだわりがないのなら、全然それでいいんじゃないすかね。

一方で自信満々で「弊社の商品は本物のハラコを使用しています!」と言われたとしたら、もっと突っ込んで聞いてみてもいいかもしれませんね。

※人間の健康被害も指摘されている

一部の報道によると、皮革生産過程で有害物質が発生し、それが川に流れ出て付近の住民の健康が害されているという指摘もあります。

動物愛護視点とはまた別ですが、問題点のひとつとして覚えておいていいかと思います。

一人一人の意識改革と行動も重要です

かんたんですが、以上が冒頭の問いの答えでした。

人間と動物の関わり方を考えると頭が痛くなります。

だがしかし、毛皮を拒否することは、いまこの瞬間から行うことができます。少なくとも、生きるために必要ない装飾欲求のためだけに生かされて殺される動物を少しでも減らす力になります。

需要がなくなれば供給もされませんからね。

と、横で寝てるワンコを撫でつつ思うのでした。

では再見。

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