僭越ながら管理職的なお仕事をしている関係上、若い子に説明を求めることが多々あります。主に決まっていた内容と事実が異なっている場合が多いです。
- え?なんでそんな金額なの?
- ん?それって来月の話じゃなかったっけ?
- お?聞いてた見積もりと桁1つ違くない?
(最後のは冷や汗タラーですが)
そんな時、スッと腑に落ちる回答をしてくれる人もいれば、逆にいくら聞いてもよくわからない回答をしてくる人もいます。
報告下手事例①:点でしか説明できない
あら?この商品決めた単価よりもずいぶん高くなってない?
「メーカーからこういう単価で報告が来ました」
なんで?
「当社の発注が遅れたからです」
なんで遅れたの?
「発注が遅れたからです」
なんで遅れたの?
「◯◯部門からの返答が遅かったからです」
なんで?
なんで?
なんで・・・?
まるで私に「なんで?」と言わせたいがためにそんな回答をしているかのよう。
彼は行き当たりばったりの対症療法パターンです。そもそも全体像の把握ができていないからこんな報告になる。まだまだ修行が必要なり。
報告下手事例②:いちいち最初から話さずにはいられない
あら?この商品決めた単価よりもずいぶん高くなってない?
「まずこの製品の生地は1mあたり◯◯円です。そこに付属◯◯円、工場の工賃◯◯円が入り、1,000枚製造する際は製品原価としては◯◯円となります。」
知ってる。
「ただしこれはFOBですので、これに輸入コスト◯◯円が乗っかってきます。」
知ってる。
「そのためこのシャツ1枚あたりの原価は◯◯円になります。」
知ってる。
「今回は当社の企画部門からの発注が予定よりも遅れたため、最初は納期を守ることは無理だと言われました。」
はぁ。
「工場の担当も当社との付き合いが長いのですが、さすがにこれは無いと言われました。」
はぁ。
「ですが前回発生した工場のミスによる納期遅れの件もありますし、そこをなんとかとかなり食い下がりました。」
はい。
「納期はなんとか守られそうだったのですが、今度は単価の問題が起きました。」
はい。
「最初は◯◯円アップと言われましたが、それは無いだろと何度も話しました。」
はい・・・その後もしばらく誰もが知ってる前提の話、そして現場同士のやり取りの詳細なディテールまでの壮大なストーリーを聞かされることになります。
この彼の場合は全体像の把握はできているかもしれません。しかし報告を受ける側がなにを知りたいのかを想像できてないですね。もっと端的に話す訓練が必要です。
※手柄アピールタイプの人はこういう話し方をすることが多いです。俺はこんなに頑張った!と。そんな言わなくてもちゃんと見てるから大丈夫だって。
報告内容で担当者の業務理解度がよくわかる
少し極端だったかもしれませんが、報告が下手な人たちの例です。
お友達とか同僚だったら別にそれでもいいんです。でも上長や会議での報告をする際は、「ポイントを絞って簡潔に」を心がけていただきたいもの。
こう決めていたが → こういう事態が発生し → こう修正し → こういう結果になった。という起承転結。
正解例はこんな感じ。
これに問題点と解決案までついてきたらベターっす。
こうした報告をするためには、現場担当者が自分たちの業務フローと優先順位を正しく理解できていることが大前提。自分で理解できていないものは人に伝えられません。
報告を聞けば、担当者がどいういう状態にあるのかがよくわかります。
同じことを繰り返さないためには、ありのままの報告が重要
管理をする側からすると、起こってしまったことはもうしょうがないのです。担当者のミスだったどしても、それに対していくら怒っても事実は変わりません(ちょっとは怒るけどね)。
それにいくら謝罪してもしょうがない。それよりも重要なのは繰り返さないこと。
今回のトラブルが偶発的なミスや事故によるものなのか、それとももっと根深い原因によるものなのかを知る必要があります。もしも後者であれば、現状の業務フローの修正はもちろん、組織や人員体制も修正しないといけません。
そうした判断をスピーディに、間違いなく行うためには、現場からのわかりやすい報告ってのはとっっても重要なんです。「やべーミスった、気が重い・・・」とビビらずに、ありのままをわかりやすく報告することを心がけていただきたいものです。
・・・え?お前の教育が悪いって?
では再見。
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