ファッション業界って華やかで楽しそうだけど、実際どうなの?儲かるの?

アパレル 儲かる

ファッション業界 儲け

そんなキーワード検索でいらっしゃる方の多い当ブログ。いらっしゃいませ。

さて確かにアパレル/ファッション業界は一見華やかです。スタイリストやモデル、デザイナーと一緒に夜な夜なパーティ。次の日も仕事だけど昼から行けばいいさ!

・・・でも本当に儲かってるの?

ファッション業界って華やかだし儲かりそう!実態は?

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以前の記事で、アウトレット向けに原価の安い商品が生産・投入されているということを書きました。

参考▶素人でもアウトレット用に作られた商品を見分けることができる、たった1つだけのポイント

これをもうちょっと掘り下げつつ、上の問いについてアパレル小売の収益構造から考えてみたいと思います。

まずは簡単な PL を作ってみました。「この経費こんなにかかんないよ!」という異論反論もあるかもしれませんが、あくまでも分かりやすくするための一般論ということでご理解ください。

PL

売上高は500万円/月で固定、販管費も固定にしています。んで①~⑦で製品原価率が低くなっていると、収益にどのようにヒットしていくかを、イメージとともに見てみましょう。

①のイメージは地方の街中にあるセレクトショップ

地方のセレクトショップは、だいたい上代の40%~60%の間で買付を行いますので、慣らすと原価率は50%くらいかな?と推測します。とすると、上記条件でも売上500万/月だと堂々営業赤字となってしまいます。

おそらく実情と合っていないのが、地代家賃と人件費の部分。表では家賃は売上変動にしていますが、地方路面だと坪いくらの固定が多いでしょう。さらに販売スタッフももっとギリギリで回しているはずなので、実際はもっと内容が良いんじゃないかと思います。

でも、それにしてもウハウハには程遠い状況です。たとえ 30%OFF でもセールにした瞬間に利益は簡単にすっ飛びますから、地方のインディペンデントなセレクトショップの運営って本当に大変だと思います。

だからこそ、まずは価格に左右されない「顔の分かる太い顧客」作りが重要です。そして買い付けする商品は「顧客が欲しがるもの」に絞り込み、なるべく冒険はしないというのが定石でしょう。ただそれが過ぎると新規のお客さんが寄り付かなくなっちゃうので、バランスが難しいですけどね。

※もっと掘り下げて書いてみました。

参考▶買い付けセレクトショップは儲かるから魅力的だね!

②はできたてホヤホヤのブランド

数10枚~せいぜい100枚程度しか生産できないくらいの規模のブランドだと、だいたいこれくらいの原価率になりそうです。次のフェーズに映るまでの試練の時期ですな。

③④⑤のイメージは一般的なアパレル企業

1アイテムで数100枚生産できるようになると、原価率もぐっと抑えることができるようになります。おそらくこれくらいの原価率で運営している企業が多いと思いますよ。

ここまで原価率を低くすることができれば、表のように営業利益を安定して出すことができます。

さらに大手になるほどシビアなので、「内装なんて金かけるな」「什器なんて使い回しでいい」と平気で言います。ゆえにさらにコストカットされ、数字上での状態は良くなります。

ただし①②の地方店と異なり、こちらでは表には見えない「本部経費」という概念が発生します。店舗で見かけ上利益を出していても、それで本部の企画や営業の人件費、物流コストも賄わないといけません。なので単店黒字化!やったね!とも安直に喜べないのであります。

⑥⑦はどこにでもあるあのブランド(予想)

さすがに10%は無いでしょうけど・・・固有名詞は出しませんが、まぁ分かりますよね。Tシャツ600円とか、あれだけ安く販売していても、元の原価率がコレですから全然痛くないんです。毎週セールしててプロパーで買うのはアホらしい、米国発のあのブランドが代表的でしょうか。

一方これだけ見ると暴利をむさぼっているようにも見えますが、実はそうとも言い切れません。

これだけの原価率で精算するためには、km 単位で生地を生産するリスク、工場を動かすリスク、店頭で売れないリスク・・・様々なリスクを背負うのです。素材の仕込みは1年以上前からが当たり前の世界。企業単位でそこまで大きなリスクを背負うからこそ、ここまでのことが実現できるというわけです。

あとはブランディング。安かろう悪かろうにならないよう、マスに与えるイメージには最新の注意を払いますので、TVCM や雑誌の純広告にかける費用は相当なもんです。店舗の内装も相当お金かけます。一見ウハウハにも見えますが、そうでもないと。

※日本発の国民的ブランドは 35% とのこと。大したもんですね。

番外:ラグジュアリーブランドはどこに位置するか

あくまでも想像ですが、おそらくは⑥⑦レベルではないかと思います。ブランドを定着させるまでのブランディングにかける費用は相当だと推測しますが、逆に定着してしまえばこっちのもの。ウハウハ状態になります。

みんな大好きヴィトンやエルメスなんて、そんな領域なんじゃないですかね。

結論:見た目ほど儲からないけどわりと真面目に頑張ってる

経験や推測を入れつつ色々書いてきましたが、アパレルほど表と裏の顔が違う業界も無いんじゃないでしょうか。華やかな表の顔の裏には、泥臭~いアレコレが必ず潜んでいます。給料もそんなに高くないし。

自分の軸を持とう

でも一般の人が思う以上に、ほとんどのブランドはまじめに顧客のことを考え、適正な価格設定をしています。「このクオリティでこの価格なら売れるかな?」ということは本当に真剣に考えます。私の知る限りでは、暴利をむさぼっているブランドって「思ってるよりも」無いもんです。※たまにありますw

なのでお店で「あ、これいいな。買おうかな。」と思って値札を見て「うわ!たっか!」と思ったとします。その瞬間のその直感ってだいたい合ってると思いますよ。高いと感じたら、ブランド側の考える顧客増と乖離してるってことですから。無理して買わない方がお互いハッピー。

結局は自分の判断基準次第です。情報に振り回されず、コレ!という軸を早く持ちたいもんです。

最初と最後で話が大きく変わりましたが、たまにはそれも良しってことでw

では再見。

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