買い付けセレクトショップは儲かるから魅力的だね!

 

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買い付け セレクト 儲かる

こんなキーワードで当ブログへお越しになった方がいました。

「ファッション」「バイヤー」「ブランド」「セレクト」・・・きらびやかなワードです。夜な夜なシャンパン片手に豪遊し、儲かっているのかもしれません。憧れちゃいますね。

しかし実際問題、買い付け商品をセレクトしたショップを運営して儲かるのでしょうか。業界経験の長いアパレルを例に挙げて検証してみたいと思います。

なおターゲットを絞るとかマーケットを分析するという、初歩的なことはできている状態。また他に事業をしておらず、地方都市でこのセレクトショップだけを経営するという前提で進めます。

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条件の良い仕入先を探すのはすごく大変

悩み中

これから店を出すんです!という意気込みは良いですが、社会的には信用もない状態。国内でバイイングする場合、大手セレクトショップのような条件=上代の 50% 程度で仕入ることはできないでしょう。60%、良くて 55% 程度じゃないでしょうか。

さらに初回は COD (Cash On Delivery)、つまり先払いという場合も多いです。よく分からん会社に掛売りして回収できなかったら困りますもんね。

このように、まず入口からなかなか厳しくなることが簡単に想定できます。

損益シミュレーションをしてみよう

計算中

photo credit: Nicolas Alejandro Street Photography via photopin cc

本当は一番最初にやることでずが、ここでは便宜上2つ目に。

いくら売ればいくら儲かるのか?いくらしか売れないとヤバイのか?シミュレーションどおりに行くことはほぼありませんが、指標を持っておくことは非常に重要です。

前提条件いろいろ

原価率

上記のとおりとして、ここでは55%で試算。高いなー。

家賃

関東圏外の地方都市を想定。坪単価 3 万円(適当)として、5坪くらいのショップを想定してみましょう。3 万円 × 5 坪=家賃で月 15 万円かかります。

水道光熱費

月によって差はあるでしょうけど、5 万円くらい見ておきましょうか。

人件費

週末だけアルバイトを雇ってみましょう。時給 900 円 × 8 時間 × 月 10 日、交通費も含めるとだいたい月 8 万円。

減価償却費

もちろん内装もしっかり作らないと、お店としての体をなしません。大手企業は坪当たり 50 万以上かけますが、なるべくお金をかけないようにします。坪 20 万円くらいで見て、5 年等価償却とします。店舗用に新調した PC、エアコンなんかもここに含まれます。5 坪 × 20 万 = 店作りに 100 万円、これを 5 年等価償却するので月あたり 1.7 万円が費用として計上されます(キャッシュアウトはしません)。

その他諸経費も発生しますので、この店舗では月間およそ 35 万円が経費としてかかるとしましょう。

損益分岐点を確認する

ここまでで商品原価率と経費が分かりました。表でまとめてみます。

PL

どうやら月間 80 万円売り上げることができれば、店舗は黒字化となります。1 日 3 万円弱の売上ですから、何とかなりそう!

ちょっと待った!足りていない項目があるぞ

言うまでもなく上の表では重要なことが抜けています。それはオーナーである自分の給料。

月給 100 万!ウハウハ!になりたいのなら、この表で見ると月間 300 万円は売り上げないといけません。1 日の平均売上もぐっとアップして 10 万円。

・・・人気ブランド引っ張ってくればいけるか・・・?

キャッシュフロー予測も連動させないとあかん

だがしかし、これはあくまでも損益計算書での話。利益をすべて自分のものにしてしまったら、来月販売する商品が仕入れられません。在庫が無いんじゃ売上は上がりません。

来月も 300 万売るためには、当たり前ですが 300 万以上の商品が無いといけません。原価率は 55% ですので、300 万 × 55% = 165 万円。このキャッシュが生まれる経営状況になっているかどうかも同時に見る必要があります。

つまり損益計算書と、それに連動するキャッシュフロー表も作っておかないといけません。おそらく金融機関に融資を申し出ることもあると思いますが、これくらいは組んでおかないと軽~く蹴られますよ。

※ここでは記載しませんでしたが、保険料やら法人税やら、考えもしなかったお金がさらにどんどん出て行きますよ~。あわわ。

結論:1 店舗だけだと全然儲からない

oh my god

photo credit: Alex E. Proimos via photopin cc

と、この前提で考えると相当厳しいシミュレーションとなりました。

もちろん交渉の上で掛率や経費を下げることで、収益体制を改善させることはできます。が、それでも 1 店舗だと知れたもの。

他の地方セレクトショップどうやって成り立っているのか

実際の所、地方で 1 店舗のみで経営が成り立っているセレクトショップって、そうは無いんじゃないでしょうか。少なくとも私は知りません。

ほとんどの場合、運営企業が様々仕掛けている事業の 1 つとして存在している感じです。飲食店、クラブ、洋服屋数店舗、みたいなバランス。

しかも地方は独特の力関係があります。昔から色んな意味で力のある人間・企業が幅を利かせているのが現状ではないでしょうか。

やっぱり 1 店舗だけで食っていくというのは相当難しいんじゃないですかね。どこかでリスクヘッジしながらじゃないと。

ましてやマイルドヤンキー/イオン女子に代表されるよう、(悪い意味で)背伸びせず居心地の良い村社会が拡大している昨今、ファッションという嗜好品にお金を使わせることはけっこう大変。

「ここで買う理由」をどれくらい作ることができるか

fashion store

photo credit: wearitdotcom via photopin cc

結局のところこれしかないです。モノ、ヒト、ウツワ。

「ここでしか買えない」品揃えで差別化

このネット社会。雑誌で人気の洋服なんて ZOZOTOWN で買えちゃいます。一見トンガッてるブランドでも、一番売上の良い店舗は ZOZO 店なんつーのも普通の話。

自分の店にオンリーワンの価値を付けるために簡単なことは、品揃えをオンリーワンにすることです。

セレクトショップ黎明期のように、自分の足で海外へ行き交渉し、日本には無い商品を仕入れるんです。正式流通もしていませんから上代も好きにつけられますので、利益率のコントロールをすることも簡単です。

日本未上陸のデザイナーズブランドでもいいですし、辺境の地の民族服でもいいでしょう。難しいですけど、ハマるとでかいですよ。

「ここでしか体験できない」接客をして顧客化

昔はよかったじゃないですが、私が 10 代の頃はセレクトショップのスタッフがファッションの先生でした。雑誌で得た知識だけで物を語るとバカにされましたので、ショップで接客を受けつつ商品=本物に触ってました(押しに負けて購入もしばしば)。

今そんな接客をしてくれるショップがどれだけあるか分かりません。またショップ側だけじゃなく、お客さん側も必要以上のコミュニケーションを嫌う傾向があるでしょう。

だからこそ、そこを逆手に取ってクソ熱い接客を売りにしてみるとか。知識も必要、金もかかる、すぐには結果は出ないかもしれませんが、ショップを長期的に支えてくれる「顧客」はそうやって作っていくものだと思います。

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「儲かる」視点だと心が入らずうまくいかない

ということで「買い付け セレクト 儲かる」でいらっしゃったあなた、儲けることはできますが考えなきゃいけないこと、動かなきゃいけないことは山積です。

お店を維持運営するってすごく大変。だからこそすごく楽しい。もちろん店は仕事にも置き換えることができます。

少なくとも検索ワードから「儲かる」が外れるようになるまで勉強してからでも遅くないと思いますよ。いや大事ですけど、重要なのはそこじゃない。

事業に心が入るようになる頃には、自然とお金も協力者も集まってくるもんですって。

では再見。

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