季節の変わり目は誰しも着る服に困ります。
例えば 5 月。ゴールデンウィークを過ぎて下旬ともなると気温も上昇。日中は半袖じゃないと暑いくらいの陽気になります。しかし日が落ちると途端に冷え込みガクブル・・・。
そうやってみんな季節の変わり目に風邪をひきやすくなるというカラクリがあります。
そして着る服に困るということは、買う服に困るということでもあります。5 月下旬に地厚の長袖アイテムを購入することはありませんが、でも半袖買うのもまだ早いよな~ → 結局なにも買わないということも多々あります。なにか欲しいんだけどなにも買えないという歯がゆい状況。
アウトレットモールをうまく活用すると良い
そんなときに便利なのはやはりアウトレットストアです。
季節の変わり目、プロパーが売れない時期。でもアウトレットでセール価格になっていれば、多少失敗してもいいかな?という心理が働きます。
そのためアウトレットストアを持っているブランドは、こういう季節の変わり目の時期に品揃えを強化することが多いです。
特にメンズはトレンドの移り変わりもさほど早くないので、定番的なアイテムも狙い目となります。
アウトレット = 100% お得じゃない
ただし・・・意外とご存じない方も多いのですが、お得と思って買ったそのシャツとパンツ、実は全然お得じゃないかもしれませんよ?
先日拝見したブログでおもしろい記事が書かれていました。まずはこの表をご覧ください。
画像:THE MAXRE APPAREL NEWS(リンク先記事消滅)
あくまでもアメリカでのデータとなりますが、最近日本にも進出した AMERICAN EAGLE で 75% 、皆知ってる COACH だと実に 85% もの商品が「アウトレット向け」=「ディスカウント販売されている」のです。
これに対しては「プロパー(正価)で売れてないから泣く泣くディスカウントしている」という見方があります。でも通常はプロパー比率 15% しかないブランドなんぞ、さっさと撤退した方がいいでしょう。
しかし彼らは撤退しません。理由は簡単ですね、儲かっているから。
なぜアウトレット比率が高いのに収益化できているのか
これも答えは簡単です。アウトレットストア用に一から商品を企画生産しているからに他なりません。
アウトレットでなら憧れのブランドがお得で購入できるね!
残念ですがそれは思い込みに過ぎません。
一般的な消費者のこうした思い込みを逆手に取り、最初からクオリティを落とした低価格の商品を生産しているのです。そうして高すぎず安すぎずのええ塩梅の価格設定をして販売することで、プロパー販売とさほど変わらない利益率で運営できちゃう・・・そんなカラクリです。なおここで言うクオリティは、生地も付属も工場もすべてを言います。
※でも日本の場合は販売スタッフのクオリティに手抜きは感じられません。
そんなアコギなブランドは許せん!
一見ズルい手口に見えますが・・・残念ですが、みんな大好きあのブランドもこのブランドもやってます。
日本でこの手法が出現し出したのは、確か 2000 年あたりのアウトレットモールバブルの頃。当時はまだほとんどのブランドが「在庫処分」のためにアウトレットストアを運営していましたが、大手アパレルがいち早くこれをやり出したんですよね。んで皆「あらいいねソレ」と追従し出したと。
なんかモヤッとしますが、別にウソをついているわけでもありません。アパレル業界では完全常識になっちゃってます。
素人でもアウトレット用商品を見分けることができる、たった1つだけのポイント
でも業界人でもない人が生地を触って「あーこりゃ安い生地だからアウトレット用の商品だな」なんて分かるはずないですよね。一部のブランドだと襟ネーム(ブランドタグ)で見分けることもできますが、それも面倒です。
しかし1つだけ、あるポイントを気にすることで、分かることがあります。
「値札」に価格は何種類印字してあるか?
それは「値札」をチェックすることです。恥ずかしがらずに値札を手に取って、印字されている価格を確認しましょう。そして価格が 1 つしか印字されていなかったら、それはアウトレット用に投入された商品の可能性があります。
なぜって?消費者心理で考えてみましょう。
① 10,000 円の値札に 3,000 円の値札が上貼りされている商品
一目瞭然で「70% OFF」ということがわかりますね。お得感満載です。
② ただ単に 3,000 円の値札がついている商品
・・・まぁ、3,000 円の商品なんだなぁ、としか思いません。
ということで①と②を比較して、どちらを買いたいと思いますか?物が同じであれば確実に①を買いませんか?
なぜなら「70%OFF」ということが一目で分かる = メリットが明確だからです。
1 つの価格しか表示できない理由
価格を 1 つしか表示させられない理由は、一度もプロパー店舗で販売された実績がないからです。
日本には二重価格表示を規制する法律があり、上記の例でいう 10,000 円という元価格を表示させるためには、一定期間(4 週間くらい?)以上はその価格で販売したという実績が必要です。
おわかりですね。つまりアウトレットストアで価格を 1 つしか表示させていない商品は、最初からアウトレット用に作られた商品である可能性が非常に高いのです。
わざわざアウトレットで元価格を表示したいがために、低クオリティ商品を通常の店頭に 1 か月以上も置きませんよね?物流コストもかかるし、店頭の効率も悪くなります。
だから最初からアウトレットストア専用に投入し、その代わり「安く感じるちょうどいい具合の価格」を 1 つだけ印字するんです。
これだけ気にするだけでも、何となく「あ、コレ・・・」という傾向が分かってきますよ。
その他簡単なポイントがあるとすると・・・
やたらと色サイズが揃っている
無難な生地の無難なデザインでこうなっている場合は要チェック。ただしプロパーでまったく売れずにアウトレットにやって来たという、悲しい商品群の可能性もあります。
〇〇〇(本家のブランド名) 〇〇Labelというブランドネーム
これは素人の皆さんには難しいかもしれませんが、私はお店で商品を手に取ってみれば、それがアウトレット用に作られた商品かどうかは簡単に判別できます。「これ真面目に作ってんの?」という素材やパターンの商品が多いのですが、そういう商品はたいてい同じようなブランドネームがついています。
具体的にいうと営業妨害になるので伏せますが、
〇〇〇(本家のブランド名) 〇〇Labelというブランドネーム
というネームがついていたらその可能性を疑うことができます。
知識を持ってうまくお付き合いしましょう
とまぁ色々書いてきましたが、別に騙されている訳でもないですし、自分が商品に価値を感じていれば、何をいくらで購入しようがいいんです、本当は。でもこうしたことを予め知っておけば、何となく物の見方も買い方も変わりますよね。
ぜひ今後のお買い物に活かしてくださいませ。
※ちなみにこの手法、アウトレットストアだけじゃなく、通常の店頭のセール期にもよく活用されますよ。
では再見。
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