日本の文字には「ひらがな」「カタカナ」「漢字」があります。当ブログでは明確なポリシーはないですけども、意図的に少しだけ「ひらがな」を多めにしています。
「皆」ではなく「みんな」、「一つ」ではなく「ひとつ」、「随分」ではなく「ずいぶん」などなど。自己満足かもしれませんが、たとえお固い話題の記事でも少しでも読みやすくなればな〜と思っております。
表現方法ひとつで言葉の印象は大きく変わる
このように、表現方法ひとつで読み手の捉え方はずいぶん変わってきます。それは表現する側が意図的にコントロールできちゃうんですよね。
たとえば求人広告。
- 仕事 → シゴト
- 働く → ハタラク
- 会社 → カイシャ
どうでしょう。漢字からカタカナにすることで、いきなりカジュアルになりました。こういう表現よく目にしませんか?
ちなみにひらがなだとこうなります
- 仕事 → しごと
- 働く → はたらく
- 会社 → かいしゃ
ちょっとオツムが足りない印象になりますね。
本来漢字に込められた意味も取り払われるから嫌い
さて、こうした表現を使用する求人媒体について。
会社で働くということは、社会に対して何かしらの貢献をして対価を得るということです。もちろん楽しいことばかりではありません。厄介な上司がいるかもしれませんし、使えない部下がいるかもしれません。値下げしろとしか言わない取引先や、納期を守らない仕入先もいるでしょう。さらには良い顧客もいれば、クレーマーめいた顧客に悩まされるかもしれません。
そんな中で悩み考えながら自分を成長させていきます。楽しいことばかりではありません。それが感じで「仕事」であり、漢字の中にそれらの要素が含まれています。
それを「シゴト」や「カイシャ」と表現することで、本来漢字の中に込められているはずの意味が取り払われます。上述したような厳しい要素もあるということも見えなくなっちゃう。
オブラートに包むことで登録のハードルを下げたいことは理解できますが、私はこういう表現はあまり好きではありません。
結局ターゲットに刺さるかどうかがすべて
だがしかし私のようなオッサンからどんなにクレームがあったとしても、この表現方法は変えないでしょう。なぜならオッサンは全然ターゲットじゃないからです。
たぶんこうした表現が刺さる層というのは、10代後半~20代半ばの若い子達。まだまだ社会の厳しさを学ぶ前の、夢にあふれた層です。(厳しさもまた楽しいんですけどね)
いい例がありました。
画像:三井住友VISAカード ※リンク先消滅
カタカナ表現というのは、このへんの層に CV させやすい要素なんでしょうね。
実は私も実際に経験があります。求人をかける際に人材紹介会社と出稿原稿の事前打ち合わせをすると、いちいち表現を変えられるんですよ。「こういう言い方にしないと若い子は逃げる」とか言われちゃう。「そんなヤワな奴は要らん!」と言えるほどの会社でもないので渋々承諾しちゃいますw
ターゲットを絞り込むには覚悟が必要
結局のところ、
ターゲットに CV させる
そのためにターゲットの絞り込みを行い、最も刺さるキャッチコピーを打ち出します。それは裏を返せば、ターゲットが絞りこまれていればいるほど
ターゲット以外に少々不快な思いをさせても構わない
ということも覚悟する必要があるんでしょう。信者とアンチというのは言いすぎですけど、そんな感じ。
自分に刺さるワードが他者に刺さるかどうかは別の話よ
ただし間違えちゃいけないのは、今回の例はあくまでも求人媒体がターゲット層に CV してもらいたいための表現なのだということ。
目論見通りターゲットの A さん(24歳)が媒体に登録し、縁があって私の会社に応募してくれたとしましょう。その時履歴書に「シゴト」とか「ハタラク」とか書いてあったら即落としますわ。そう、そのキーワードは私のようなオッサンにとっては最も CV につながらないキーワードなのですから。
まま、一般常識の話ですけどね。
では再見。
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