かつて私の故郷の岩手県盛岡市にあった、小粒ながらも超イケてたセレクトショップのお話です。
このショップ、そして販売スタッフだった彼は、当時まだ「オシャレになりたいだけの15歳」だった私に本当にいろいろなことを教えてくれました。
そしてそこで知ったこと、身につけたことは、いまでも私のファッションの根幹にあると感じています。
しかしこのショップ、15歳のころに出会ったものの、18歳になるころにはもう閉店していた記憶があります。いまでは誰も覚えていないでしょうし、ネットで検索してもなにも出てきません。
でも、先日ふと思い出しちゃったんですよね。
ということで、せっかくこうした媒体を持っているわけですし、記事に残してみようと思います。せめてほかの誰かが思い出して検索してくれたときにヒットして、「あ~懐かしい!」と感じてくれたら嬉しいですね。
推敲無し書きなぐりスタイルで参ります。
盛岡にあったセレクトショップ「ダンクショット」
たしか場所はここにあったと思います。
ストリートビューで確認したら、たしかに見覚えのある外観・・・!現在もアパレルショップのようですね。
この辺でスケボーとかしてたっけ。
思い出すダンクショットについてのあれこれ
いろいろあったよ。
セレクト感度が非常に良かった
一地方のセレクトショップですから、品ぞろえが肝です。
いま思い出しても、ダンクショットは絶妙にメジャーから逸れた味のあるセレクトをしていたと思います。全体的にはアメカジがベースで、そこにスケーター・クラブ寄りのアイテムが差される感じでした。
いったい誰がセレクトしていたんだろう。
たとえば
AIR WALKのデザートブーツ
当時の盛岡ではVANSのJAZZ(いまのOLD SKOOL)すら手に入りづらい状況でした。もちろん雑誌で打ち出されていたAIR WALKのエニグマやディザスターなんてまぁ見ません。
そんな中このダンクショットでは、まさかのAIR WALKのデザートブーツ推し!たくさん箱が積まれていたことを思い出します。
「わかってらっしゃる」人になりたかった当時の私は、このド渋のデザートブーツを購入。当時はそんなにテンションは上がりませんでしたが、この数年後のNOWHEREブームの際に取り上げられ、物持ちの良い私は心の中で大感謝することになるのでした。
販売員がイケてた
たしか常時2名いらっしゃった気が。私のお目当てはケンジさん。工業を中退したとか言ってたような。
このケンジさんには本当にいろいろと教えてもらいました。まぁ大した話はしていないのですが、「雑誌じゃこれだけど、ぜったいこっちがいいから」みたいなおススメが多かった気がします。
藤原ヒロシの存在を教えてくれた
ケンジさんが雑誌(たぶんCUTIE)を持ってきて、激押ししていたスタイリングがこちら。
- ジュディ・ブレイムのTシャツ(ダンクショット取扱無)
- ワンサイズ大きめMA-1(同上)
- ノンウォッシュのリーバイス501(同上)
- AIR WALKのデザートブーツ(取扱有)
これを着ていたのか、それともそのページに出ていたのかは忘れましたが、「この人がヤバい」的なことを教えてくれました。私が藤原ヒロシを認識したのはそれが最初でした。
私もこれには相当ヤラレてしまい完コピしようとするも、MA-1が死ぬほど似合わず頓挫いたしました。まじでなんなんだあれ。
たまにはひどいものもおススメした
お金はないながらも、一生懸命雑誌を研究し、ショップに足繁く通うかわいい高校生です。上述のように尖った情報をインプットしてくれる半面、いま思うと「よく仕入れたねそれ」という商品もおススメしてくれました。100%セレクトショップですから、当たるも八卦当たらぬも八卦。
その中で、すごく覚えているのが当時のダンサー(の一部)が着用していた、G-FORCEというブランド。このブランドはとにかく太い。パンツはワタリがなんと50cm。ケンジさんはそれの赤を私におススメしてくれました。
試着してみると雑誌で見る以上に太い。さすがにヤバいアイテムだということで購入には至らなかったのですが、よく試着までさせたもんだよ。まぁ商売商売。
新品のA-2は地面に叩きつけるもの
ベースは硬派なアメカジショップです。お高いレザージャケットも売ってました。
ケンジさんはバズリクソンズだったかな?のA-2を新品購入。そして味を出すためにアスファルトに叩きつけるという行為を行っていました。オシャレ道は凄まじいものよ・・・と戦慄したものです。
またもちろんA-2も無傷ではいられません。味はさておき、ジッパーが壊れ開閉できなくなるという悲劇に襲われます。結果修理に出し、長いこと着れなくなるというオチがついてきましたとさ。※本人談
ダンクショットとケンジさんで私ができあがりました
盛岡にはガルフという、当時凄まじい力のあった会社がありました。雑誌で見る一流ブランドを取りそろえ、オシャレ高校生にとっては憧れのセレクトショップ(グループ)。
ただモノはいいんですが、販売がオラオラでして。高校生にも容赦なし。金があるならすごい接近戦になりますし、金がなさそうなら1mmも寄ってこないというすごい統制。しかも当時はクレ(略
それに比べると、いつ行ってもニコニコと対応してくれ、いろんなことを教えてくれたダンクショット。ここでの時間は本当に楽しかったです。ケンジさんともう1人には、心から御礼を申し上げたい。
あなた方のおかげで私は洋服、というかカルチャーに興味を持ち、東京で好きなものを買いながら生きることができています。
いつかどこかで会うことがあったら、お酒でも一緒に飲んでください。
では再見。
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