販売スタッフの言うことばかり聞いてたらブランドは死んでいく

 

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今回はひさしぶりにファッション業界あるある話。

大手アパレル企業で数か月に1度開催される店長会。全国の店舗の店長さんが一堂に会します。

本部からは前シーズンの反省と今シーズンのコンセプトや企画構成、サンプルをプレゼンするのですが・・・すんなり終わることはまずありません。

  • また売れなかったデザインを繰り返して!
  • うちにはそんなお客さんはいないの!
  • MDもデザイナーも現場を分かってない!

確かに彼女たちは実際にお客さんと毎日対峙しているわけですからね、自店のお客さんに売れそうなものは一番分かっています。自分の数字もかかってますから本気でブーイングです。※女性としていることに他意はありません。

しかしそれを本部が素直に聞き入れたらダメ。

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マーケットインとプロダクトアウト

まずは基礎知識。有名なマーケティング用語ですが。

マーケットイン

顕著化している顧客ニーズへの適合を優先し、そのニーズに答えるための技術開発を行う。

wikipedia

アパレル的な物言いをすると、マーケットインは市場の売筋をパクって参考に短期間で生産し店頭販売するシステム。業界ではQR(クイックレスポンス)と言われていました。

プロダクトアウト

コア技術として選択した独自の技術の利用を優先し、その独自技術に合わせた商品を作り出す。

wikipedia

プロダクトアウトは逆に市場の売筋など参考にしません。流行は俺が作る!的な。デザイナーズブランドがこれに当たると考えていただければ分かりやすい。

販売スタッフの言うことを聞いてはいけない3つの理由

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Photo by Fervent-adepte-de-la-mode

話は戻って店長さんの話。

彼女たちは間違いなく前者=究極のマーケットイン発想の人達です。自分のショップの顧客の好みは他の誰よりも把握しているわけですから。信憑性は高いはず。

ですがフンフン聞きつつ半分は流すのが正解。今どきここで素直に聞き入れちゃう企画担当者は、早々に異動させた方が良いでしょう。

理由は下記の3つによります。

①ブランドが年を取る

言い方は悪いですが、彼女たちは自分のショップやショップが入っているモールのお客さんしか見ていません。見えている顧客のことはスラスラ言えても、まだ見えていないこれから掴み取りたい顧客については全く無知です。

言うとおりに物を作れば確かに彼女たちは満足するでしょう。しかし未来永劫「今見えている顧客に向けた」物づくりをしていくとどうなるか。

もちろん新しい顧客は増えないので収益は頭打ち。毎回同じような企画しかできない。何か変えようとすると嵐のような反発に見舞われ、結果何もできずに元に戻る。

「ブランドが年を取る」とはこういうことで、その先はもはや顧客と一緒に墓場まで。

②競合他社との同質化と価格競争

販売スタッフは他社の売筋を欲しがります。すなわち「すでにあるもの」。そして他社も同じようなことをしています。

すると不思議なことに、期末のセール前になるとどのショップでも同じような商品のオンパレードになります。同質化ってやつです。

同質化が始まると価格競争に陥ります。結果売筋だったはずの商品の市場価値は大きく下落することになります。

③ブランド価値が大幅ダウン

①②の結果でもありますが、マーケットインな企画一辺倒のその先には、ブランド価値のダウンという結果しか待っていません。

①で新規顧客獲得はできなくなるわ、②で既存顧客も離れていくわで、もう大変。

本部の偉い人も同調し出したら最悪

・・・ということを販売スタッフは理解していません。でもそれはいいんです、彼女たちに求めていることは「自店の売上を上げること」、この一点ですから。彼女たちがギャーギャー言うのは、与えられた職務を忠実にこなしている証拠。

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Photo Credit: Thomas Hawk via Compfightcc

ただ本部のお偉いさんが同調すると最悪。ブランドを維持成長させるというミッションを忘れ、短期的な数字だけを欲しがっているのがバレバレですね。

こういう上司の下にいる方は早々に異動願を出しましょう。

※今どきこんな会社あるの?と思ったそこのあなた。あるんだなこれがw

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一辺倒にならずにバランス感覚を持つことが大事

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Photo Credit: Kalexanderson via Compfight cc

とはいえプロダクトアウトだけってのも怖い。

市場の売筋を参考にしないということは、自ら見えない需要を掘り起こす必要があります。需要喚起ってやつです。

一方需要喚起するためには、けっこうなPR活動が必要になります。雑誌タイアップしたり芸能人使ったりカタログやブログやSNS・・・でもこういう活動はどこのブランドでもやってますからね。差別化にはかなり頭を使わないといけないでしょう。

なので結局はバランスが命なのです。

  • ブランドの創造性をアピールして市場に提案する部分
  • 市場での需要を敏感に察知してブランドとして応える部分

ここ数年良いと言われているブランド/ショップは、これがとても上手にできています。

特にファッション業界に限った話でもないので、物づくり/小売に従事してらっしゃる方はたまに振り返ってみてください。

では再見。

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