ベストドレッサー賞やベストジーニスト賞、その他「その賞誰得なの」的な賞も星の数ほど。
どうやら世の中ではどうしても芸能人を表彰したい人たちがいるようです。今回はそのへんの裏話をちょろっと。
※以下、今回はあくまでも私の経験をもとにした妄想です。その前提でご覧ください。
華やかに見える◯◯賞に感じる違和感
歴史がある賞はもう権威付けされているため、選出される芸能人もそれなりのクラス。ポッと出の新人アイドルが出るなんてことは稀ですよね。
しかし「なにそれ知らね」的な賞になると、一転してなかなか微妙な芸能人が選出されることが多くなります。「ベスト冷麺賞」なんてあったら目も当てられない痛い結果になることでしょう。
ここで疑問が生じます。
- なんで賞によってそんなに芸能人に差が出るの?
- そもそもなんで芸能人に賞を取らせるの?
ですよねー。これには理由があるのです。
目的は企業や業界のの PR 活動
まずニュースやワイドショーで流れる◯◯賞の映像を思い出してみてください。華やかな授賞式、素敵なドレス。いいですね。
しかし映像は授賞式だけではないはずです。思い出してみてください。そう、必ず記者会見がセットになっています。
◯◯賞なんてどうでもいい。やりたいことはひとつだけ
笑顔でインタビューに答える芸能人。でもあれれ??話題は最近週刊誌で話題になったゴシップが多く、「いいおつき合いをさせていただいております~」みたいな話ばかり。
あれれ??あなた今年の◯◯賞を取ったから呼ばれたんじゃなかったっけ?そこには一切触れなくていいの?と不思議に思う人も多いんじゃないでしょうか。
(もちろん歴史のある賞はそんなことありませんが)
結論から言うと、◯◯賞なるものはどーでもいいのです。もう一度言います、どーでもいい。
どーでもいいのにわざわざ◯◯賞を作る理由。それは「人を集めたい」「PRしたい」だけ。
広告代理店のメニューにもあるみたい(実話)
以前私がとあるブランドの責任者をしていたとき、広告代理店の担当者がこんな話を持ってきました。
「五反田さん、なにかベスト◯◯賞でも作って記者会見とかしません?人集まりますよ」
ベスト◯◯賞と言われましてもねぇ・・・弊社そんな大した企業でもないし、と難色を示していると
「なんでもいいんです。芸能人呼べばすぐですよ」
はぁ。どんなメリットがあるんでしょうか。
「まず記者会見で御社のブランドをアピールできます。あと御社のロゴが入った壁紙を背景にインタビューも入ります。それらがメディアに拡散されます。さらに大賞を取った芸能人の画像も宣材として使える可能性があります。」
「芸能人もご予算に応じていろいろですが、なるべく最近話題になっている人がいいですね。記者が集まりやすいので。」
こういう提案がふつうになされているのです。もちろんやりませんでしたけど。
そもそもなんで芸能人に賞を取らせるのか
おわかりですね。
別に芸能人が賞を取りたいわけじゃないんです。
企業が人を呼んで自社製品の PR をしたいがために、自ら「ベスト◯◯賞」を作り、人を集められる芸能人に受賞させているだけ。
上の方で
笑顔でインタビューに答える芸能人。でも話題は最近週刊誌で話題になったゴシップが多く、「いいおつき合いをさせていただいております~」みたいな話ばかり。
と書きましたが、たぶんプレスインタビューでは、ほんの少しだけ自社製品に触れるという決まりになっているんだと思います。でもそんなの 1 分もかかりませんし、誰も興味ありません。
んで結局メディアで使われるのは、最近騒がれたゴシップに関するネタばかりと。
さてこの広告宣伝効果たるや、いかがなものなんでしょう。
なんで賞によってそんなに芸能人に差が出るの?
これも勘の良い人はおわかりかと思います。
予算がたくさんある場合(複数社とか)
お金が潤沢にあれば人気も高感度も高い芸能人に依頼することができます。プレスインタビューでもしっかりブランドや製品について「私も愛用してるんですー」と時間を取ってしゃべってくれることでしょう。
とある賞は協賛会員が 40 社くらいあるので、1 社 100 万円とすれば 4,000 万円は集まります。それだけあれば会場から人からいろいろと自由にできますよね。
(その賞がそういうことをやってるかどうかは不明です)
予算があまり無い場合
一方でそれを 1 社でまかなおうとすると、当然そんな金額なんて出せません。仮にがんばって 500 万円を捻出したとしても、いろいろな部分のグレードを下げざるを得ません。
できるだけ安くて見栄えの良い会場。できるだけ安くてそこそこ知名度があって人が呼べそうな芸能人。
最終的に蓋を開けてみると、「あれ?あいつのインタビューしか映ってなくね?」という悲惨な結果に・・・。
まぁお互いビジネスということですな。
そろそろ無駄なステマからは卒業しましょ
私が上述したような提案を受けたのは、もう10年くらい前のことです。
その時から比べれば、テレビはもちろん雑誌の力も比べ物にならないくらいに落ち込み、逆にネットメディアや SNS の力が非常に大きくなりました。
それに伴いステマという PR 手法も問題になりましたが(いまでも根深い)、今回の話も一緒です。こんなのステマ以外の何者でもないと思います。
消費者もそんなにバカじゃないです。ネットネイティブな人たちが増えてきている中、ステマなんぞやればやるほど逆効果になるということに、そろそろ気づいていただきたいもんです。
では再見。
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