都内某所にそのカフェはあります。詳しい場所は伏せますが、都心でオッサンが多い街の駅前とだけ言っておきましょう。
おそらくオープンは朝 8 時くらい。カフェだけではなくモーニングセットも充実。私が訪問した時間帯は朝 9 時くらいでしたが、ほとんどの人がなにかしらのモーニングセットを食していました。うまいのかな。
私が着席したとき、店内はこのような状態でした。真ん中下部分に私がいるのがおわかりでしょうか。机の配置や人間の数もだいたい合っていると思います。
私の左二つ隣りにいる黄色い人。この人を中心に今回は話が進みます。
黄色い人ってのもアレなんで、名前つけましょう。命名「平井さん」。
年の頃は 60 代後半。グレーのジャケットにダボダボのスラックス、黄色っぽいシャツにループタイという出で立ち。少しハゲ。
①「なんとか水」についての商談からスタート
平井さん(黄色)と対面の人(青)は、私が着席したときから話をしていました。4 人がけテーブル上に散らばるたくさんの資料。
2 人ともわりと大声で話していたので自然と耳に入ってきたのですが、「イオン」「蒸留水」「若返る」「酵素」などの健康系高単価キーワードが盛りだくさん。どうやら青い人が平井さんに説明しているようです。健康系商材のセールスに長けている人は手強いぞ~。
と思っていたら平井さんもさすがです。トークを聞きっぱなしではなく、積極的に質問を切り替えしたりと熱が入ります。
しかししばらく聞いていたところ、どうやら 2 人は顔見知りのようなんですね。お互いの近況トークに花を咲かせたりと、単なるセールスマンとお客さんという関係性ではないように見えました。
②平井さんが離席→別テーブルで商談開始
ところが平井さん(黄色)、おもむろに席を立ち、少し離れたテーブルへと移りました。対面には茶色い人。
茶色い人は初老の紳士。平井さんと同い年くらいでしょうか。
距離が遠くて会話の内容までは聞き取れませんが、同じように資料が広げられ、なにやら説明を受けているようです。
青い人もまだ終わらない
一方ここで私の左隣の人が帰ったので、それまで平井さんに商品説明をしていた青い人の様子がよくわかるようになりました。
商談も終わり資料をしまって帰るのかと思いきや、むしろさらに多くの資料をテーブルの上に並べ始めました。なにが始まるのよ。
③平井さんさらに移動 & ニューカマー現る
青い人に気を取られていたら、なんと平井さん(黄色)はまたもや座席を移動しました。今度の相手は紫の人。
やはり会話は聞き取れませんが、二人でいやらしい顔をしてニヤニヤしています。「ヘッヘッヘ」「ウッヒッヒ」的な笑い声も。楽しそうね。
ニューカマー(前川さん)参上
と、そこで私の座席の後ろの壁が開きました。え!扉だったのそこ?
そして登場したのはダークトーンの花柄スーツに身を包んだ女性(やはり初老)。この方は「前川さん」としましょうか。
前川さん(赤線)は扉から出てそのまま青い人の前の席に座りました。そう、最初に平井さん(黄色)が座っていた席です。なに君たち知り合いだったの?
初老軍団のマドンナだった
前川さんが店内にいることがわかるや否や、店内にいた初老のオッサンたちが一斉に彼女に向かって笑顔とともに手を振り始めます。これまで知らん顔して座っていた緑の人まで。
え?前川さんマドンナだったの?
一方前川さん自身はというと、「いつものことね」的な振る舞い。クールに一度手を振っただけで挨拶をすませ、前にいる青い人と話し始めました。
④平井さん、あなたはなにをしたいの
さらにここから急展開。フラフラしていた平井さん(黄色)が最初にいた席へと戻ります。マドンナ効果でしょうか。
なぜか対面に着席
しかしおかしなことに、対面に座りました。
社会人の方はおわかりでしょうけど、原則として対面に座る=商談相手という意味です。
せっかくの愛しのマドンナが来たと言うのに、なぜ隣に座らないんでしょうか。
まさかの攻守逆転(??)
少し見ていたらその答えがわかりました。なんと平井さん(黄色)、青い人と一緒に前川さん(マドンナ)に対して、最初に自分がプレゼンを受けていた健康系商材のプレゼンをし始めるじゃないですか。えええ!?
しかも平井さん(黄色)、トークが雑。「俺もいいと思うよ」「俺これで元気になったから買っちゃえよ」とか、100% 主観ばかり。横で聞いてる分には面白かったけど。
⑤マドンナ陥落か・・・ッ??
いかに雑とはいえ昭和を生き抜いてきたオッサンのトークには勢いがあります。このパワーに前川さん(マドンナ)も陥落しちゃうのでは・・・と気を揉んでしまいますよね。
しかしそれは少し後に完全に杞憂に終わりました。
ぶれない自分の軸
「アタシ薬嫌いなのよね」
「病気になっても絶対に医者行かないし、薬も飲まないのアタシ」
「そうやって生きてきたのアタシ」
前川さん(マドンナ)にとっては、おそらくこうした健康系サプリや飲料水もすべて「薬」の範疇なんでしょう。ビシっと斬りました。
誰になにを言われても、決してぶれない自分の軸を持つ前川さん、素敵です。
初老オッサンの逆襲を心配するも
ですがそうなると『アンタ違うよこれは薬じゃないんだって』的な切り返しが来ることが容易に想像できます。百戦錬磨の初老をなめんなよと。
ところが平井さん(黄色)と青い人の反応は違いました。
『だよな~効果があるもんかわかんねーよな~!』
なんなんだよオメーらwww
このビジネスチャンス、どう活かすか(活かすの?)
以上がこの喫茶店で 30 分くらいの間に起きたで出来事です。いったい何の軍団だったのでしょうか。
もしかして、もう 30 分粘っていたら、私以外全員一味だったなんてこともあったりして・・・。いやあながちあり得ない話じゃないのが恐ろしい。
まぁまじめな話、お金を持ってるヒマな初老の集まりなのかなと。それぞれがなにかの商材の代理店となっていて、お互いに紹介しあって良ければ買いますよと。土地や別荘なら別ですが、商材もせいぜい数万円程度でしょうから別に痛くもないと。
・・・もしかしたら意外とこういう人たちって多いのかも。金脈ビジネスチャンス発見したかも私。
まずは平井さん(黄色)を味方につけてからだな(›´ω`‹ )
では再見。
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